ジャンプSQ.
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マンガ家 直撃インタビュー[モノガタリ]

――初連載『カッコカワイイ宣言!』がいよいよ始まりましたね。

●ミサワ ええ。大好評ということで。

――大好評です。1ページごとのショートギャグという形態は今回が初めてですよね。デビュー作の『俳優伝説』はストーリーもののギャグでした。

●ミサワ 赤塚賞を受賞してから1年半くらい、担当さんとはストーリーがあるものを作っていこうみたいなことでやっていたんですけど、ついに気づいたんですね、作れないなってことに。ストーリーをあきらめた結果、こういう形になりました。

――ストーリーを考えるのが苦手ということですか?

●ミサワ いや、恥ずかしいんじゃないですかね、描くのが。だから、いまはストーリー漫画を描くことはまったく考えないです。『俳優伝説』にしても、最後は「ここで終わりでーす」って自分から言って終わってますからね。最後のページ来ちゃったから終わらせたみたいな。

――なるほど(笑)。

●ミサワ でも、この形態にしたことで連載をとれたんだ、とか担当さんがちょいちょい僕に言っちゃいけないようなことを言うんですよ。まあ、あと編集長がですね、僕の漫画が嫌いなんですね(笑)。

――そうなんですか!

●ミサワ それが、僕の耳にすごい届いてくるんですよ。担当さんが言うから!

●担当 いや、ついに編集長、『カッコカワイイ宣言!』を読んで「初めておもしろいと思ったよ」って言ってたよ。

●ミサワ おお! これは「モノガタリ」に書いておいたほうがいいんじゃないですか!

――書きます(笑)。

●ミサワ 初対面の、最初のひとことが「僕は君の絵が大嫌い」だったんですよ(笑)。

●担当 まあでも、嫌われるっていうのはいいことだと思うんだけどね。

――それだけ気になる、ということですもんね。でも編集長が新人の作家さんに言うのは珍しいかもしれないですね(笑)。

●ミサワ そうですね、だめですよね!

●担当 奮起を促したんじゃない(笑)?

●ミサワ ノリですよ、完全にその場の。

――そんなこともありつつ(笑)……無事乗り越えて連載を。受賞から1年半で初連載というのはわりとトントンと来たような感じに見えますが、ご自身ではいかがですか?

●ミサワ ま、今もニートみたいなもんなんですけど。

――いやしっかり仕事されてますよ(笑)。

●ミサワ ニート特有の「俺、大丈夫だろう」精神を持ってまして。何か、そのうち連載もらえるんじゃないかみたいな気持ちがずっとあったんですよ。周りからは「ミサワ、大丈夫か」って、すごく心配されてましたね。「おまえもう、だめなんじゃないの」みたいな。

――デビューはしたものの……と。

●ミサワ くすぶってると。

――でも、ご本人としては別に心配していなかったんですね。

●ミサワ そのうち何とかなるんじゃないのみたいな。

●担当 僕も途中途中で結構「大丈夫?」って聞いてきたんだけど、 いつも「大丈夫です」って言ってたよね。「生きていける?」「何か不安なことはない?」とか聞いても、「何もない」(笑)。

●ミサワ そうですね。

――担当さんに対しても弱いところを見せたりしないんですね。

●ミサワ 見せません。

●担当 見たことないですね。

――すごいですね、それは。

●ミサワ そうですね、そこがやっぱり、僕のいいところなんですかね。

――そう思います。

●ミサワ いや、もしかしたら、相当いいところなのかもしれない。

●担当 でもネームを出す瞬間だけは不安そうだよね? だってなかなか見せないじゃない。

●ミサワ ……そうですね(笑)。

――なぜ見せないんですか。

●ミサワ いや、電車で編集部に向かっている間に「これはないな」っていう気持ちが出てきちゃうんです。

●担当 電話の時はすごく自信たっぷりなんですよ。「代表作ができました」とか「これで時代が変わります」とか言ってるのに、会うと「違いました」って(笑)。

●ミサワ いや、でもまた数か月たってから読むと、めちゃくちゃおもしろいなって思うんですけどね。

完全にバカにはせず、微妙なラインのかっこよさを描きたい

――お仕事の時間帯はどんな感じでやられているんですか。

●ミサワ いや、適当ですね。もうほんとうに、好きなときに起きて好きなときに寝てっていう生活です。ページ数が少ないので、へたしたら1か月で3日か4日が仕事の日で、あと全部休みです。

●担当 だから、たくさん描きためて、と言っているんですけど……果たして描きためているのかどうか。

●ミサワ 描きためてます、もちろん。でもあんまり暇だなとか、何かしなくちゃとか、遊びに行きたいとか思わないんですよ。何もしなくても、ぼーっとしてるだけで一日過ごせるみたいな。何をしているって言われても困る感じですね。趣味がないから。

――でも今、「女に惚れさす名言集」という「かっこいい男子達がかっこいい名言ばっかり言うブログ」をやっていらっしゃいますよね。月〜金、毎日1コマ、カラーマンガが更新されていくというすごいブログで、もう1年以上続いています。

●ミサワ はい、ちゃんとやってます。

――デビューされた後に始められたんですよね。どうして始めようと思われたんですか。

●ミサワ やれって言われたからですね。周りの人に。

●担当 俺は言ってないよね。

●ミサワ ええ。報告もしてない(笑)。

――さきほどおっしゃっていた、心配してくださっていた周りの方たちが何かやったほうがいいんじゃないか、と?

●ミサワ 「おまえ、どうせ暇なんだから何かやれよ」って言ってきて。

――ギャグをコンスタントに量産するというのは、すごく大変なことだと思うのですが。馬力がいるといいますか……。

●ミサワ いやあ、まあしようがないですからね。毎日更新しないといけないですから。まあ、趣味みたいなもんですけど、締め切りが迫ってきていたら、やるしかない。

――「しないといけない」という意識でやられているんですね。だからあのクオリティーであの量で描けるんですね、きっと。「かっこいい男子」の中で、特にお気に入りのキャラクターはいますか?

●ミサワ 基本的に大体みんな好きなんですけど、読者に全く伝わってないなと思うのが「田部」っていうキャラクターです。

――田部というと……。

●ミサワ 「冷やす」です。

――氷をビニールに入れて「ちょっとやばそうだから冷やすか」とか言う人ですね。

●ミサワ そうです。「冷やす」ってかっこいいと思うんですよ。

――……それは確かに伝わりづらいかもしれません。

●ミサワ だって冷やすってことは、その前に相当頑張ってるってことですよね? そうじゃないと冷やさない。

――なるほど!

●ミサワ かっこいいと思います。

●担当 かっこいいっていうラインがさ……ちょっとずらしてて、それをネタにするんだよね。

●ミサワ そうです、微妙なラインですね。完全にバカにした笑いにはできないというか。いつも「俺2時間しか寝てないわ」とか言う、「すなお」っていう「寝てない自慢」のキャラクターがいるんですけど、ああいうのが描けるのも、自分がそれをしたいほうの人間だからです。「寝てない」って僕も言いたい。ちょっと自虐的な部分が入るから描けるんだと思います。

――確かに、『カッコカワイイ宣言!』の「ドジっ娘」のかおちゃんなんかもそうですが、キャラクターは基本的にみんな変な人たちなのに、ちょっと「わかるな」って思える部分がありますね。それはミサワ先生の自虐が入っているからだったんですね。

●ミサワ だから、お酒とかたばこのギャグって本当はネタになりそうなんですけど、自分がやらないのでそれは描けないですよね。自虐の要素が入れられないから。