――お話を伺っていると、松原さんのお話を筆頭に、テレビの仕事も、「オモコロ」も、外部からの働きかけがあって何かが始まる、ということが多いんですね。
●ミサワ そうですね。
――無理ですとか、やりません、とはおっしゃらずにひょいっと乗っかる。
●ミサワ とりあえず「はい」って言ってみるんですかね。
●担当 いつも「できます」とは言うよね。でも打ち合わせの1時間前になって「やっぱり無理でした」とも言うけど。
――(笑)。プロの漫画家としてやっていこうというお気持ちはいつごろ固まったんですか。
●ミサワ 最初からですね。漫画を描こうって決めたときから。……やっぱり、『ONE PIECE』が好きなので。
――え?
●ミサワ ルフィは、海賊王に「なりたい」とは言わないじゃないですか。海賊王に「なる」ですよね。だから僕も「漫画家になる」って思ってました。ルフィの影響です。
――そういうことですか!
●ミサワ はい。もう『ONE PIECE』が好き過ぎて。映画の「STRONG WORLD」も2回見に行きましたよ。1回目は顔が涙でぐしょぐしょになりながら家に帰ったんです。えぐえぐしながら。2回目は、見てる間に、もう食い気味に、前倒しで泣いちゃうんですよね。
――次にいいシーンが来るってもうわかってるから。
●ミサワ そうです。ああ、この後こうなるんだよな……って。
――『ONE PIECE』のどういうところがお好きですか。
●ミサワ 何をいまさら言ってるんですか!!
――ミサワ先生の思う良さを改めて言っていただきたいと思いまして……。
●ミサワ それはやっぱりルフィの気持ちの強さです!
――なるほど!ありがとうございます!ルフィのように「漫画家になる」と決めてからは、持ち込みをされていたんですよね。
●ミサワ はい。自分は青年誌向きだ、と思っていたので、「スピリッツ」とか「モーニング」とかに行ってました。でもどこでも反応は一緒でしたね。
――何て言われたんですか?
●ミサワ 「おもしろい」とは言ってくれるんですけど「でもこれ、商品になるかなあ」って(笑)。
――言われたときは、どういうお気持ちでしたか。
●ミサワ だよね、って(笑)。
――ジャンプ系には持ち込みもされていなかったんですよね。いきなり赤塚賞に応募して、それを今の担当さんが見たと。
●担当 夜中に見たんですけど「何だこれ!すげえ」と。言語化しづらい笑いだなとは思いましたけど。
――それで受賞、となったわけですね。
まじめなことは言わない、と決めていた
――赤塚賞の授賞式では、すごいパフォーマンスをされていましたね。みなさんまじめに並んでいるなかで、ミサワ先生だけ半裸でポップコーンをこぼし食べながらステージに上がるという。
●ミサワ なんか、担当さんが「何もするな」ってすごい言ってくるんですよ。だからそれは「やれ」ってことかと思って。
●担当 いや本当に心配だったの!その前に、内輪だけの授賞式の時もコック帽とコック服で登場していて(笑)。
――そうだったんですか。
●担当 それがあったから、今回は大きいパーティだしやらないほうがいい、って言ったんです。そしたら式が始まる直前に「ポップコーンこぼそうと思うんですけど、壇上で」って。全然意味がわからなかった(笑)。一応許可をとって「あんまり汚さないでね」って言ったのに……。
――ほぼ床にまいていらっしゃいましたよね、ポップコーンを(笑)。
●ミサワ それはしようがない。
●担当 ほかの受賞者が、すごい動揺してた。
――ものすごいインパクトでした。漫画だけじゃなくて、ご自身が出るときもやはり何かおもしろいことをやりたいというお気持ちがあるんですか。
●ミサワ やりたいというか、しようがない。ああいう場に出されちゃったら、もうやるよりしようがないじゃないですか。
――ああ、やはり「しようがない」なんですね(笑)。本当に一貫していらっしゃいますよね。常にふざけ続けているというか……なかなかできないことだと思うんです。
●ミサワ そうですね。というかまあ、あんまりちゃんとできないんですよね。今も編集長とかに、ほぼ完全にタメ口で話してしまっていて。目上の人に合わせた感じにできない。年下の人にも、編集長にも同じ態度になってしまう。まあだから、やっぱりしようがないです。そのうちすごい怒られるときが来るんですかね、どっかで。
――何かトラブルになったりしたことってあるんですか、これまで。
●ミサワ いや、これまではないですね。結構うまいことやれています。
――ではこれからもタメ口で(笑)。今後の意気込みといいますか、目標をお願いします。
●ミサワ やっぱり空前の大ヒットですね。
――そうすか。空前の大ヒットになると思います!今日はありがとうございました。
●担当 ……これって人生初インタビューだよね。
●ミサワ そうです。でも本当は決めてたんですよ。インタビューは受けないって。
――えっ、なぜですか?
●ミサワ 明石家さんまさんが、常に「この人はバカだな」って思われていたいから、あんまりまじめなことを言わないためにもインタビューは受けない、って言っていて。かっこいいなと。だから、僕も絶対まじめなことは言わないようにと……。やっぱりこれが新人であることの弱みですかねえ。
――じゃあ今日のことは、いやな記憶として残るかもしれないですね(笑)。
●ミサワ はい。どこかでいつか、あれは最悪だったみたいなことを言うかもしれないですね。
――わかりました(笑)。おもしろいお話を、本当にありがとうございました。
●ミサワ とんでもないです(笑)。ありがとうございました。
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