ジャンプSQ.
ジャンプSQ.
くぼたまこと先生 直撃インタビュー 完全版
 







★――現在アニメが再々放送中で、またまた大好評の『サンレッド』ですが、作者ご自身の手応えはいかがでしょう。

いま僕が住んでいる地方では放映されていないので、周囲は無反応なんですよ。なのであまり実感は…。作品の舞台である溝の口(川崎)から仕事場を移って数年になりますので、どれだけ街が変化しているか俯瞰できないのがちょっと残念で、時間があれば通いたいんですけどね。

★――「OPソングを何度も繰り返し聞いてしまう」とか「あのユルさがやみつきになる」とか、そんな視聴者の声は放映と共に大きくなるようですが、ご自身はヒットの理由をどう見ていますか。

やっていることの本質は、デビュー当時も今もほとんど変わってないんですよね。この作風は1994年の『仮面レンジャー田中』が原点だと思うんですが、当時はそんなに受けなかったんですよ。僕も不思議なんですが、ひとつ言えるとしたら、親しみやすいヴァンプ将軍とかサンレッドとか、キャラクター達が「育った」からかなあと思います。

★――たしかにキャラ力もだんだん増しているように思えます。あと、独特のタメというか、間合いも効果的な作品ですよね。「 しょぼ〜ん 」とか。

“間”は大事にしていますね。絵をあまりに緻密にすると、そこで目が止まっちゃうから、決めの絵だけをきれいに描こう…とか。一人で仕事していますのでトーンとか、描き込みをあっさりさせないと締切に間に合わないっていう理由もありますけどね(笑)。あと、連載を続けていくことによって、自分の本来持っているギャグの間合いと、読者の方に広く受けるギャグの間合いとの違いがなんとなくわかってきた気がします。良くも悪くもという意味で、ですが。それはアニメのおかげでもあるんです。アニメの作りを僕は客観的に見るわけじゃないですか。そこで皆さんの笑いどころを見て、「そこなんだ」っていう呼吸をつかめたので。

★――なるほど。そんな独特の間合いを持つくぼた先生のルーツを伺いたいのですが、デビュー前にお好きだった作家や作品は?

やっぱり僕の世代だと、手塚治虫先生から衝撃を受けまして。「少年ジャンプ」では江口寿史先生が好きでした。『すすめ!パイレーツ』のころから読んでいたんですけど、実験的なパロディを描かれたり、どんどんPOPな作風に洗練されていく過程だったので、ギャグ漫画として「こういう流れもあるんだ」と思って。その後は「ビッグコミックスピリッツ」で相原コージさんとか、吉田戦車さんとかの不条理漫画もよく読みました。ちょっと考えさせられるネタが好きでしたね。お笑い芸人だとダウンタウンさんなんかは、特に、不条理系の笑いを長くやってこられた方だと思うので、入れ替わりの激しい若手の方より惹かれるところはありますね。

★――「不条理」がポイントですね。それと、くぼたワールドにはヒーローものも欠かせませんが、お好きだった作品は? また、読者として特撮ファンを意識したりはしますか?

僕は『仮面ライダー』の初期世代なんですね。『マジンガーZ』だとか。その辺の作品が全盛期の頃だったので、すべてにおいて影響されています。ソフト人形みたいなのも夢中で集めていました。漫画もそこを全部生かして今に至った感じです。いま連載している「ヤングガンガン」さんって、カワイイ女の子が出る漫画が人気のようですが、そういうものが描けない僕は、同年代の人に受けなければちょっと苦しいかな、と考えたんですよ。お話の内容的にも。ですので同年代…特撮世代とか、同じような境遇で色々苦労された方が読んでウケるネタも多いのかなあと思います。