◆――ひえー、森先生の完成形ってどういう絵なんでしょう(笑)。内容についても、ちょっと伺っていいですか? 武闘派の騎馬民族のお嫁さんと、穏やかな都市定住民族のお婿さん。環境的に差異のある二人で、また葛藤やら何やらがありそうな…?
部族間のお話になっちゃうと、元は親戚のような民族同士だったりするので、ややこしいんですけど…。まあ、行き違いで結婚してしまった異なる生活のありようを、両方描きたかっただけなんですよね(笑)。定住の都市も描きたいし、遊牧民も描きたいし。
◆――年上のお姉さまと、年下の男の子。その組み合わせ自体を好まれる読者も出てきそうですが。森先生ご自身は、そういうご趣向は…。
いえいえ、特別な何かはなく…普通に男の子は可愛いですけれど、同年代のほうが好みです(笑)。ただ、その年ぐらいの男の子って、あんまり描いてなかったなあって思ったので。担当編集さんには「キャラクターより、衣装を描きたいんでしょう、フェチっぽく」なんて言われますが、そんなことはないです。ちゃんと人物を描きたいですよ(笑)。タイトルはまだ非公開ですが、きれいな奥さん・いい嫁さんの物語、という意味をこめています。
◆――可愛いお嫁さん描写がどんどん出てきそう…、乞うご期待ということで。作り方としては、描いてから先を考えるタイプですか? それとも、ある程度の終着点があって、それを目指して進まれるタイプですか?
『エマ』は恋愛ものですし、ゴールや通過ポイントもあれこれ定めてましたが、こちらは、あまり決めすぎないようにと思っています。一応の終着点はありますが…。連載といっても隔月なので、前話から展開しても忘れられそうですよね。だから、まずは主人公の夫婦ありきで、そこに誰かが来たり何処かへ行ったり、ポンポンとどこから読んでも読める感じにしたいです。読みきりスタイルに、その時々のストーリーが絡んでいくっていう感じですかね。
◆――そして今回は、狩猟もあり、初のアクションシーンにも挑戦ですね。
そうですねー、馬をいっぱい描きたいし、『エマ』ではあまり大きなアクションシーンは描けなかったですから。…でもこの地域って、紛争とか、戦闘的なイメージばかり定着してると思うんですが、その背景ではふつうに家族の暮らしや生活があるんですよね。歌と詩と…口承文化の発展した、芸術的な地域でもあるし。遊牧民って、できるだけ身軽にしていたほうがいいから、口伝えの文化がすごいんですよ。
◆馬も思う存分に描かれて(笑)。脚が力強いのが、アジアっぽくて良いですね。
でもほんとはもっと細いんですよ、アラブ種やマハル・テケ種の馬って。私が描くとモンゴル馬になっちゃって。イギリスの馬しか描いてこなかったので、どう描いていいのかわからない…。
◆――と、いろいろ試行錯誤されていますが、作風面での今後の目標は?
『エマ』10巻アンケートで書いたことは、全部本気です。いつか描きたいと思っています。それと、なんだか描きたいものがみんな時代物になってしまうので、いっそ世界を巡るのもいいかなーと。どこの国を巡っても、調べてみればいくらでもそれなりの発見があって、面白くない国ってないですので。
◆――ローマ帝国なんてどうでしょう。『森薫 ローマ帝国史 全○巻』!
うわ〜、デカッ!広っ! 10世紀以上あるし、いったいどこの時代をやったらいいんでしょう。ピンポイントでやるしかないですね。日本なら、明治時代とか、江戸300年物をやってみたいんですけど。 |