★――ところで、先ほどのキャラクターのお話でいえば、主人公の「DX」は掴みどころのないキャラですが、ズバリ王様になるべき人、という方向性で描いているんですか?
おがき:いえ、そういう…わけではないです。なんだろう…性格でいうと、「DX」は何にもない人で、例えて言うならゲームの主人公みたいな感じ。それで、彼と対峙した人は、自分が何者かがわかるんです。彼が通うアカデミーの生徒っていうのは、場の空気を読んだり、相手によって距離を測って自分の要求を通そうとしたりという、大人っぽいやり取りを教育されている人たちなので、この何もない主人公と対峙すると、戸惑ってしまう。「素」のスタンスで行くしかないんですね。だから、良くも悪くも自分がある、個性がある人は、主人公と付き合えるっていう感じです。
★――おがき先生の個性についても伺いたいです。主人公「DX」はゲームの主人公みたいな感覚とおっしゃいましたが、お好きなゲームや小説、漫画は?
おがき:ファミコンが出た頃に小学生だったので、ゲームと一緒に大きくなったみたいな感じです。冒険ものがすごく好きで、先ほどの『ウィザードリィ』なんかは、キャラ作りの参考にしています。『ファイアーエムブレム』というシミュレーションRPGも好きです。
SQ:僕はファイアーエムブレムは『紋章の謎』と『聖戦の系譜』だけしかやっていないんですが。
おがき:私もその二つが一番好きですよ! 小説家ではマーセデス・ラッキーという、女性主人公のファンタジーを描いている作家さんや、『魔法の国のザンス』という作品を描いているピアズ・アンソニイがすごく好きで、「こういうものを描けたらなー」とすごく影響を受けています。
SQ:ホントに、80年代にわき上がってきた文化をそのまま吸収してらっしゃるんですね。あの当時のファンタジーですとか、ファミコンですとか。男の子向けの作品が多めのような気がします。
おがき:そうですね、漫画だと少女漫画は全然読んでなくて。ジャンプがあればいいと(笑)。
SQ:お兄さんとかいらっしゃるんですか?
おがき:兄はいますけど、けっこう年が離れているので…影響は受けてるのかな? 松本零士先生の『銀河鉄道999』とかが好きで。乗り物はいいなーって思うし、新しい知らない世界に行くっていうのもすごくいいんだけど、四畳半の…。
SQ:『男おいどん』!
担当氏:『元祖大四畳半大物語』!
おがき:…とかもすごい好きで。カッコいい男じゃなく、ああいう漫画がすごく好きです。あとは、ちばてつや先生の『紫電改のタカ』を小学校のときに読みまして。
SQ:紫電改のタカ! 小学生で読んだんですか。
おがき:私の考える男のカッコよさっていうのは、たぶんそのへんで作られたと思うんです。銀河鉄道999の鉄郎とかがカッコいい…。
SQ:そういうシャワーを浴びてらっしゃるんですね〜。
おがき:松本零士漫画の美人の扱いも、もう人間が違うっていう感じですよね。そういう影響もあるので、美人とか魅力的な女性を描こうとすると、メーテルとかちょっと手の届かないような所にいる人か、妹になってしまう(笑)。
SQ:そうですねー、主人公DXの妹・イオンさんですねー。そうした、兄妹っていう関係性もよく描かれますね。
おがき:男女の恋愛の絡みがあるのが好きなわけじゃないし、恋愛物は全く得意じゃないんですけど、兄と妹という立場が好きで。どんな環境で、周囲からどんな干渉があっても、立場が揺らがない関係が好きなのかな。
SQ:そう言われて読み返してみると、恋愛の初期と完成形は描かれてますけど、その中間がほとんどないような気がしますね。
おがき:本当にダメなんですよ〜、描けなくて。得意じゃないっていうか、スミマセン、ダメなんです、描けないんですよ、恋愛ものが(笑)。
担当氏:少年かい!
おがき:じわじわ、キュン!とか描けない。『君に届け』っていう作品を、今アニメでやってるじゃないですか。のたうちまわりながら満喫してて(笑)。
SQ:あ゛あ゛あ゛〜〜〜! かゆ、かゆ〜〜! みたいな。
おがき:風早くんとか、素敵なんだけど、見てイイと思うのと、描くのとは別で。私が描くと、カイルみたいな「みんなの人気者」的な記号になっちゃうんですよ。女の子はみーんな彼のことを好きで、カッコよくて、優しくて……どこが間違ってるのかわからないんだけど(笑)。
SQ:そこにズッコケ要素もプラスされていて、いい人だと思いますけどね。
おがき:これ以上無理に転がすこともないかと、読者さんにおまかせしたいです。
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