◆――啓文堂・山川美香氏2008年イチオシ!の本作ですが、かるたという珍しいテーマで描こうと思われたきっかけはなんでしょう?
末次:連載の案をいろいろ考えている時に、担当さんから「かるたまんがなどはどうでしょう」と提案を受けました。
SQ:担当さんもご経験者だったんですね。
末次:そうですね。そう言われた瞬間に、ダーッとストーリーが浮かび、「描ける」といういい予感がしたので、その方向で勉強を始めることにしました。かるたは少しだけやったことがあったので親近感もあり、あまりマンガの題材になってないということもあって、面白そうと思えたのもあります。
SQ:なるほど、ノッて描いてらっしゃる感じがしますね。
◆――あの競技シーンの緊迫、葛藤、気合、快感…相当の取材を重ねられたのでしょうか。取材状況、ご経験などおしえてください。特に印象強かったことなどがあれば、聞かせてください。
末次:取材先でお世話になった先生に、最初の頃「札を読まれ出したら動かないで」と注意されて、その時にかるたをやる人の真剣さを感じました。練習なのに、合間に質問できる雰囲気もないくらい集中してらして、その空気感と緊張感が、かるたのすべてだとも思えました。
SQ:(凄い…)
末次:高校生の大会も色々取材に行ったのですが、負けて泣いている高校生が畳の上に涙を落とす所を見て、ぐっときました。あまり目立たない競技ですが、熱くて真剣な彼らがいて、そのシーンを見たことで確実の私のまんがは何段も良くなったと思います。取材のたびに、助けられています。
◆――今後の展開について、ちはやの前にはどんな友人、好敵手、思い人、師匠が現れそうでしょう。また、百人一首の内容をからめたエピソードを期待する声もありますが、「描いてみたい」内容があればおしえてください。
末次:これから登場するのですが、ちはやが、ともに一生切磋琢磨していくであろう現クイーンが私の中で今一番気になっています。
SQ:百人一首の内容をからめたエピソードを期待する声もありますが、「描いてみたい」内容はあります?
末次:かるたばっかりの話になってバランスが悪くなった場合には、体育祭や文化祭なんかもやってみたいです。かるた部がまっぷたつになって戦うのも楽しそうです。百人一首の内容ももっと丁寧に織り込みたいので、文化系のエピソードも入れていきたいですね。
SQ:2巻から高校生編になっていますね、千早、新、太一はこれからどんな風に成長・変化していきそうでしょう。作者的にここが見どころ、という部分は?
末次:千早も新もかるたバカで、かるたばっかりしてそうなので、見どころは太一の変化と動きだと思います。三人の恋愛関係はとても微妙で、一回誰かが動いたらもう取り戻せないような危うさがあって、描いてても緊張します。「取り返しのつかない恋」を描けたらいいなと思います。
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