★――まんが王さんが強く推薦される本作ですが、発売当初から品切れ続出でしたね。SQ編集部も2巻がない!3巻がない!と大騒ぎでした。
渡辺:ありがとうございます。4巻でひと山なので、そこまで読んだ人は満足されて、もう買わないかもしれないけど(笑)。
★――何をおっしゃいますか、これから個性ある先輩たちが絡んできて……。どうなるんでしょう、今後は?
渡辺:いや、しゃべれないです(笑)。多分インターハイには行くんじゃないですか…ぐらいかな。本当は、インターハイとか高校のロードレースって、教育の一環でもあるので、トラックレースもやらなくてはいけないし、白い帽子をかぶらなくちゃいけないしとか、いろいろ細かい規定があるんですよね。
SQ:そこを細かく描きすぎると、面白みがなくなりますよね。リアルがいいなら高校の応援に行くほうがいいと。でも、マンガのほうが面白いでしょ!って(笑)。
渡辺:経験者から見たら「これってどうなの?」っていう所があるかもしれないけど、基本的にはマンガ的な面白さを優先したいんですよね。だから流れもどうなるか…1年生レースのシーンも、坂道くん達が3人でワーッと一緒に山頂に行くのかな…と思ってたら、描いてるうちに一人が失速しちゃったんで(笑)。
SQ:「斜度の変化に弱いんや!!」鳴子くんはスプリント選手やから。
渡辺:18%の角度の坂なんてありえない…でしょうけどね、そこは迫力重視で。
SQ:ロープウェー級の坂ですよね。でも1から9のうち、後半の数字のほうが「デカい!」って感じに見えるから。
渡辺:でも「9%」だと「登れるんじゃね?」ってなっちゃう。かといって19%だといきすぎかなあ…17か…じゃあ18か…と(笑)。だから、あまりリアルすぎる数字や描写は出したくないんです。だって、例えば速度=ギアの選択×回転数から割り出せるんですよ。すると「このギアの段数と、このケイデンス(車輪の回転数)だったら、時速○○キロで登ってるじゃん?」って試算できちゃう。
SQ:そういう数学的なことばかりだと、自転車をわかってる人向けのマンガになっちゃいますもんね。シロウト目には「この武器があるからここ、このスキルがあるからここ」っていう段階が判りやすいのがありがたいので。
渡辺:そう、一つ一つ説明するとキリがないから、ママチャリに乗ってる人にも楽しんでいただけるようにって前提で描いています。
SQ:おまけのページに、ギアなどについて詳しく描かれているので「あえて、親心でムズカシイ部分をカットしてくださってるな」とわかります(笑)。
渡辺:でも僕は、自分が自転車乗りなので、シロウト目線がわからない瞬間があるんですよ。例えば、「ママチャリは3本ローラーには乗せられない」=誰でもわかることだと思って、あえて「※実際はムリです」って注意書きを入れると、担当さんが「いやいや。それはナシでしょう。ここは夢の部分でしょう」ってツッコんでくれるので、助かるんです。だから担当さんにはロードレーサーに“乗らないで”いてほしいです(笑)。二人して自転車マニアになって、読者の感覚を見失ったらアウトなので。 |