★――そんな全力スピリッツはどこで培われたのでしょう。「この作品が好き」っていう原点や、通過点はありますか。
渡辺:小学生の頃から鳥山明先生が大好きなんです。鳥山先生にはなれないなって途中で気づきましたけど(笑)。
SQ:気づいたということは、その頃からご自分でも描いてみた?
渡辺:『Dr.スランプ』のパクリで『Dr.パーフェクト』っていうのを描いたりしていました(笑)。中学生くらいから投稿を始めて、高1で賞をいただいて、「驚異の15歳」って書かれたんですけど、その後は…。って話はあまりしたくないなあ(笑)。
SQ:いろいろあって「ジャンプ」から「マガジン」に行かれて、「チャンピオン」に行かれて。枠って大事ですよね。この作品は「チャンピオン」っていう枠がなければ、生まれなかったんじゃないかと思いますので。
渡辺:「チャンピオン」さんは、あまり型にはめず自由にやらせてくださる部分があります。僕は「マガジン」も経験していますが、そちらは編集さん主導型で、細かくチェックしてくれるんです。そういうカチカチっと作る方法が合う作家さんも沢山いるでしょうけれど、僕はある程度、自由度がないとダメなんで。
SQ:最近、なんかマンガが理屈っぽくなって「楽しいだけじゃいけないの? ドゴーンってかますのがマンガじゃないの?」って感じがあるので、チャンピオンさんの企画の奔放さは尊敬します。ほんとに。
渡辺:そういう土壌は、僕の性に合ったんだなーと感謝してるんですよ。ホントに、描きながら考えちゃうタイプなんで、結果が…最初の想像と違うものになっちゃう。
SQ:水島新司先生パターンでしょうか。先生、すごいなーと思うんですけど、なんか岩鬼が豪快にバットを振るシーンを描いてしまって、「あれっ。三振させるつもりだったんだが、この絵を見るとホームランだろう」というので、流れを変えちゃったって。これ、本当かわかりませんが、すごいなー大先生。
渡辺:すごいですねー(笑)。僕の中では、これは鳥山先生方式のつもりなんです。
SQ:ああー、鳥山先生も、あんまり先を決めすぎずに…。
渡辺:そう、「キッチリ先を決めず、とりあえずこの設定にキャラクターを入れてみたらどう動くか…?」っていう。
★――では、今後、こういうマンガをお描きになってみたいっていうのも…。
渡辺:はい、全然考えられません! この目の前の原稿をおいしく熱く、全力で描くのでいっぱいいっぱいです。全部の力を使ってます。
SQ:では、この作品がインターハイまで行くのか、ツールドフランスまで行ってしまうか…それも先生の、自由な筆のみぞ知るということですね。
渡辺:本場フランスのレースは、バイクで自転車を追っかけつつ、それをヘリで脇から撮りつつ、それらが橋を渡るとこを船から撮りつつ…みたいな、すっごいんですよね。「少しでも、こういうダイナミックさを伝えられたらな」という思いはあります。
★――十分、ダイナミックです!! 今後の自由な展開に、さらに期待しつつ…どうもありがとうございます!! |