[エンバーミング-THE ANOTHER TALE OF FRANKENSTEIN-]和月伸宏

エンバーミング-THE ANOTHER TALE OF FRANKENSTEIN- 全10巻 和月伸宏
前回までのあらすじ

 19世紀末、大英帝国。これより150年前、神の所業をまね、死体をベースに創り出された異形なるモノ… 「人造人間(フランケンシュタイン)」。それらは、雷と共に現れると言い伝えられる。創造方法が失われた後も、歴史の陰で研究に開発に勤しむものが絶えない。…そして、人造人間に進んで関わるのは、悪人か狂人のどちらかだけ――――。

 死体卿の驚異的能力にジョンが苦戦する中、新たな力を携えヒューリーが参戦。肉体を捨て、超高圧電流が体を構成するヒューリーは、強力な雷撃で死体卿を追い詰める。あと一歩のところで電力を使い果たし、窮地に陥るが、アシュヒトが発生させた協会の超高圧電流で充電し復活。全ての力、これまでの出会った全ての人々の想いをぶつけ、ヒューリーは死体卿を消滅させる!

 その後、消えたヒューリーを捜索するジョン達だが、電極ボルトと脳だけとなった死体卿が、ピーベリーに襲い掛かる。それをジョンは、かつて恋人だった時のようにピーベリーを救い、死体卿にトドメを刺すのだった。そんな中、アバーラインが暗闇の中にいるヒューリーを発見し!?

キャラクター紹介
  • ヒューリー=
    フラットライナー
    ワイス卿の使用人として働いていたが、家族を殺害した人造人間に復讐を決意。Dr.ピーベリーの手で究極の9体目・運動神経特化型人造人間に。大切な存在エーデルを、親友のレイスに殺され、自分も含めた全ての人造人間を殺すと誓う。
  • レイス=アレン
    18歳。ヒューリーと同じ事件の生き残り。人造人間との戦いで死亡するが、ワイス卿の手で人造人間として蘇る。ロンドンで死体卿と出会い、機能特化型に改造されるも、ヒューリーたちに破壊される。
  • Dr.ピーベリー(ヒルデガルド=ピーベリー)
    アシュヒトの父・Dr.リヒターの助手経験があり、その門外不出の技能を使って、ヒューリーを人造人間にした。かつて愛を誓い合ったジョンを含める、“究極の8体”の破壊を誓う。
  • エーデル=ワイス
    ヒューリーと同じ事件の生き残りで、事故以前の記憶が無い。亡きワイス卿の令嬢に似ていたため、ワイス家の養女に。ワイス卿によって、本当の娘になるべく人造人間にされそうなところをヒューリーに助けられるが、レイスの手で殺された。

  • (ズィーベン)
    Dr.リヒターに創られた皮膚特化型の人造人間。元の人物はアシュヒトの幼馴染・エルムだと思われていたが、実はアシュヒトの心の傷を埋めるため、エルムの代役として用意された死体の寄せ集め。明るく無邪気な性格。
  • アシュヒト=リヒター
    名門リヒター家の子息。人造人間の“調整”を専門とし、父親が創った人造人間・7と行動を共にする。人間のエルムを取り戻すことを目的としていたが、7の正体がエルムでないと判明し、ただ7を守ることを決意する。
  • フレデリック=ジョージ=アバーライン
    切り裂きジャック事件を追っていた、元スコットランド警察の警部。職務に誠実ではあるが、若干、空気が読めないようでもある…。
  • 死体卿
    (したいきょう)
    本名「トート=シャッテン」。Dr.リヒターの機能特化型人造人間の8体目。ポーラールート実質的トップ。死体をこよなく愛し“死体の楽園”を築こうとしている。再生能力に加え、散っていった特化型人造人間の機能をも身につけている。
  • ジョン=ドゥ
    Dr.リヒター製 究極の8体の六番目にして最強と言われる人造人間。血液機能特化型で、無尽蔵の血液を溜める“化外の心臓”を持つ。ポーラールートでピーベリーと愛し合うが、記憶を失くしている。
  • グロース=フランケンシュタイン
    人造人間の創造の為なら、人間が死ぬことも厭わないが、ポーラールートの一番上に立ち、人々から敬愛されていた。しかし、現在は死の恐怖から狂ってしまい、ポーラールートを暗黒郷へと導く。
  • Dr.リヒター
    アシュヒトの父親で、ポーラールートのNo.2。究極の8体を作り出し、大創造主と呼ばれている。死んだダリアを取り戻し、自分達家族も不老不死となるため人造人間の研究に没頭中。最終的には選ばれた人間を人造人間に創造り換える「楽園」を理想としている。
  • スカベンジャー
    消化機能特化型の人造人間。胃の中に寄生蟲型人造人間の疑似卵を持ち、孵化させることによって分裂。何もかも食いつぶす。その本体は腹をすかせた子供。死体卿に複体を与えられていたが、アバーラインにお菓子をもらう約束をして、アシュヒト達の味方に。
  • ウンゲホイヤー
    死体卿から、ジョン=ドゥ捕獲の任務を言い渡された、筋力機能特化型の人造人間。十年前、ジョンとの間に小競り合いがあったと語り、彼との戦いを心待ちにしていた。
  • エルムの母親型人造人間
    エルムをおびき寄せるために、死体卿に用意された人造人間。生前はエルムの母親だったが、記憶喪失と人格改変で別人になっている。エルムを娘だと思っているわけではないが、彼女の一途にアシュヒトを想う気持ちに感激し、共に行動をとる。
  • タイガーリリィ=コフィン
    Dr.リヒター製、感覚機能特化型の人造人間。死体卿の部下であり、彼に心酔している。索敵や情報収集に優れるが、額の目から高エネルギーを打ち出す「光速視線」も驚異。ジョンに敗れ生前の記憶を取り戻すが、死体卿の配下としての誇りを持って散った。
  • ダリア=リヒター
    アシュヒトの母親で、心優しい女性。12年前に病原菌に侵され死亡するが、夫・Dr.リヒターの手によって新鮮なままその死体を保存されている。
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