憂国のモリアーティ 原案/コナン・ドイル(「シャーロック・ホームズ」シリーズ) 構成/竹内良輔 漫画/三好 輝

前回までのあらすじ

ストーリー

 19世紀末――。古くから根付く完全階級制度により、上流階級の人間達に支配されている「大英帝国」。生まれ落ちた時から一生涯の身分が決まるこの社会制度は、必然的に人間同士の差別を生んだ。そんな中、階級制度による悪を取り除き、理想の国を作ろうとする青年がいた。これはジェームズ・モリアーティ、或いはシャーロック・ホームズの敵の話――。


 列車の中で密室殺人が起こった。ウィリアムとシャーロックは、次の停車駅まで約48分で犯人を見つけだす勝負をすることに。二人はさっそく、被害者はロンドンの宝石商で、犯人は男であり、始発駅のダラムで列車に乗り込み、昏睡強盗をしくじった上の刺殺事件と特定。


 そして、ウィリアムとシャーロックは、別々に犯人を探ることに。様々な物証から乗務員が犯人であることがわかり、血まみれの手袋をした乗務員を見つけ出すが、作業中のケガだと主張。けれど、ウィリアムが眼鏡のつるに血が飛んでることを指摘し、犯人は自白。無事事件は解決したが、眼鏡のつるに飛んだ血はウィリアムが仕組んだ工作で、ただのはったりであった。そして、シャーロックとジョンの関係も修復し、いつも通りの日常に。


 そんな中、時を同じくして重大な事件が進行しつつあった。英国の重大な禁秘である文書が盗み出されていて——!? 女王陛下直々に呼ばれたマイクロフト・ホームズは、文書の奪還のためMI6を動かすことに!?

キャラクター紹介
  • ウィリアム・ジェームズ・モリアーティ
    孤児であったが、字の読み書きができ博識。アルバートの実弟になりすまし、実弟の名である“ウィリアム”を名乗っている。現在は、数学教授と私立相談役を生業にしている。
  • アルバート・ジェームズ・モリアーティ
    モリアーティ家の長男。階級制度や貴族である家族をも軽蔑していた。慈善活動先の孤児院でウィリアムとルイスを養子に迎え入れた。現在は公には陸軍を退役した扱いだが、MI6の指揮官"M"。
  • ルイス・ジェームズ・モリアーティ
    ウィリアムの弟。病を患っていたが、モリアーティ家に引き取られ手術を受けて完治した。現在はモリアーティ家領地の管理や屋敷の執務をしている。
  • セバスチャン・モラン
    ウィリアムに絶対の忠誠を誓う右腕。カードの達人、狙撃の名手。音のしない銃を扱う。普段はモリアーティ家で使用人をつとめる。
  • フレッド・ポーロック
    ウィリアムの犯罪相談の窓口をつとめる。イギリス中の犯罪ネットワークに通じる情報屋。密偵や暗号解読に長ける。
  • シャーロック・ホームズ
    自称、世界でただ一人の諮問探偵。自分の興味があることだけにしかかかわろうとしない。抜群の推理力だけではなく、格闘術など身体能力にも長ける。労働者階級の訛った話し方をする。
  • ジョン・H・ワトソン
    アフガン戦争で軍医をしていたが、負傷し送還された。ホームズと221Bでルームシェアを開始する。
  • ハドソン
    ホームズとワトソンが住む221Bの家主。自分を省みないホームズを心配している。本人曰く、永遠の17歳。
  • レストレード警部
    ロンドン警視庁の警部。未解決のものなどヤードが手に余る事件をホームズに依頼していた。ヤードの中でもホームズを信頼している。
  • マネーペニー
    元MI5所属の諜報員。現在はMI6の指揮官"M"の秘書。アフガン戦争の終結という任務でモランのサポート役となった。ウィリアムに忠誠を誓っている。
  • フォン・ヘルダー
    MI6の仕事の時のみ"Q"を名乗る。盲目の天才ドイツ人技師。音のしない銃を開発製造したり、作戦に必要な装備品を生み出している。
  • マイクロフト・ホームズ
    シャーロック・ホームズの兄。情報部の長官の職にあり、アルバートの直接的な上司。