憂国のモリアーティ 原案/コナン・ドイル(「シャーロック・ホームズ」シリーズ) 構成/竹内良輔 漫画/三好 輝

前回までのあらすじ

ストーリー

 19世紀末――。古くから根付く完全階級制度により、上流階級の人間達に支配されている「大英帝国」。生まれ落ちた時から一生涯の身分が決まるこの社会制度は、必然的に人間同士の差別を生んだ。そんな中、階級制度による悪を取り除き、理想の国を作ろうとする青年がいた。これはジェームズ・モリアーティ、或いはシャーロック・ホームズの敵の話――。


 ウィリアムの犯罪相談の窓口をしているフレッド。相談を受ける中、貧民街で誘拐された子供たちが、以前殺害したエンダース伯爵の人狩り場の一つである「ダートムア」に連れて行かれていると知る。貴族による人狩りが未だに行われていると知ったフレッドだが、同じテーマの犯罪はウィリアムの計画にはそぐわないのではと悩む。けれど、罪のない子供たちを見過ごすことのできない彼はモランの力を借り、ウィリアムに相談することに。そこでフレッドは、ウィリアムの目的には、「諸悪の根源である階級制度の瓦解だけではなく、自分たちを含む罪を犯した“悪魔”達の抹消も含まれている」と明かされる。そうして再び、人狩りをする悪魔達を裁く作戦実行へと移る。


 ウィリアムにどこか距離を感じていたフレッドだったが、兄弟であるルイスも同じく兄をどこか遠い存在に感じていた。けれど、ルイスが感じていた距離は、「弟を穢れのない新たな世界に生かせたいから殺しには関わらせない」というウィリアムのエゴが原因だった。そして、お互いの本心を伝え合った二人には、より強い絆が生まれ…!?

キャラクター紹介
  • ウィリアム・ジェームズ・モリアーティ
    孤児であったが、字の読み書きができ博識。アルバートの実弟になりすまし、実弟の名である“ウィリアム”を名乗っている。現在は、数学教授と私立相談役を生業にしている。
  • アルバート・ジェームズ・モリアーティ
    モリアーティ家の長男。階級制度や貴族である家族をも軽蔑していた。慈善活動先の孤児院でウィリアムとルイスを養子に迎え入れた。現在は公には陸軍を退役した扱いだが、MI6の指揮官"M"。
  • ルイス・ジェームズ・モリアーティ
    ウィリアムの弟。病を患っていたが、モリアーティ家に引き取られ手術を受けて完治した。現在はモリアーティ家領地の管理や屋敷の執務をしている。
  • セバスチャン・モラン
    ウィリアムに絶対の忠誠を誓う右腕。カードの達人、狙撃の名手。音のしない銃を扱う。普段はモリアーティ家で使用人をつとめる。
  • フレッド・ポーロック
    ウィリアムの犯罪相談の窓口をつとめる。イギリス中の犯罪ネットワークに通じる情報屋。密偵や暗号解読に長ける。
  • シャーロック・ホームズ
    自称、世界でただ一人の諮問探偵。自分の興味があることだけにしかかかわろうとしない。抜群の推理力だけではなく、格闘術など身体能力にも長ける。労働者階級の訛った話し方をする。
  • ジョン・H・ワトソン
    アフガン戦争で軍医をしていたが、負傷し送還された。ホームズと221Bでルームシェアを開始する。
  • ハドソン
    ホームズとワトソンが住む221Bの家主。自分を省みないホームズを心配している。本人曰く、永遠の17歳。
  • レストレード警部
    ロンドン警視庁の警部。未解決のものなどヤードが手に余る事件をホームズに依頼していた。ヤードの中でもホームズを信頼している。