極楽街 佐乃夕斗

前回までのあらすじ

ストーリー

 華やかに賑わう“極楽街”でどんな難題にも報酬次第で引き受ける「解決屋」を営むタオとアルマ。その裏では人や動物の死体を使って造られた「禍(マガ)」という怪物専門の「殺し屋」として活動。この世の全ての禍を駆逐するその日まで戦うことを誓う―――!!


 辰臣から新たな怪奇事件の情報を受け取るタオ。失血死、餓死、圧死とそれぞれ異なる変死体が相次いでいた。人間や禍にはできないようなやり方で殺害されていたため、ジンや黄泉と同じように、人間と同じ見た目をした特殊な力を持った禍の仕業だと考え、さらにその力は“自身の死因”が関係していると予測する。禍の親玉である黄泉の情報を掴むため、今回の事件を調査し犯人との接触を図ることに。


 一方アルマは、溜まったツケを払うためヤヤの代わりに宝来飯店の配達へ向かっていた。配達場所である、アルマも顔なじみの常連客・真木の家に到着すると、嫉妬深いけど可愛い彼女ができたと浮かれた様子の真木が出迎える。しかしアルマを女の子と勘違いしたのか、部屋の奥から怒りを帯びた女性の声が聞こえてくる。真木は咄嗟に誤魔化し、すぐさま部屋へと戻ってしまう。


 後日、再び真木から宝来飯店の配達を頼まれたアルマ。女の子であるヤヤが行くと、真木の彼女が嫉妬することを覚えていたアルマはしかたなく配達へと向かう。到着し、インターホンを鳴らしたその時、ドアの奥から激しい口論をする声が聞こえてくる。そんな中ドアが開くが、そこにいたのは顔を血だらけにした真木の姿だった。さらに拳に血を滴らせながら“うつ”と名乗る女性が姿を現し――!?

キャラクター紹介
  • タオ
    ドライな性格。怒ると怖い。表は「解決屋」裏では対禍専門の「殺し屋」を営んでいる。
  • アルマ
    身体能力が高く、大食い。人や動物の死体を使って造られた「禍」という怪物と人間の間に生まれた「半禍の子」。心まで禍になりかけていたところをタオに拾われる。
  • 辰臣
    (タツオミ)
    珍事件が殺到する極楽街の情報屋。情報代は高いが、女好きのためタオには安く情報を売っている。
  • ネイ
    蛇穴に属する凄腕剣士の少女。禍に対して誘発作用がある血液を持つ。
  • 黄泉(よみ)
    謎多き白髪の青年。タオしか抜けないはずのアルマの繋縛の杭を抜くことができる。
  • ヨキ
    蛇穴所属。明るく優しい獣人。タオたちの武器を作っている。お金持ち。
  • ダラ
    蛇穴所属。一見クールな女性だが愛情深い性格。ヨキと同じようにタオたちの武器を作っている。
  • 劉(リュウ)
    タオやネイを訓練していた男。厳しく、容赦のない指導者だが、酒好きでめんどくさがりな性格。
  • 夜(よる)
    行方不明になっていたタオの弟・ジンのもう一つの人格。自殺するが、黄泉の力で禍として蘇る。直接首に触れずに、絞め殺すことができる力を持つ。