地の底の魔法使い 平浜矢陸

前回までのあらすじ
ストーリー  

 魔法使いが200年前に絶滅してしまったと言われる世界で、両親がいないクニミとチサヨの兄妹は広大な森を管理するヒュケナイに拾われ働いていた。暴力を振るわれる日々に耐えきれず脱走する二人だが、途中で地震に襲われ、気付けば巨大な虫の腹の中に。戸惑う二人の前に現れたのは魔術師(マグシュ)であり予言者でもあるインだった。二人を魔術師の里(マグシュ・アウロラ)に連れてきたインは、クニミが里を救う<予言の子>と告げ……!?


 謎の敵から<汚穢>(ソルデス)の攻撃を受けてしまったクロストル。助からないことを理解したクロストルは、クニミに糸の魔法で拘束した謎の敵を自分の代わりに殺せと言う。しかし、クニミは怖気づいて逃げ出してしまった。


 逃げ出したクニミだったが、このままでは里が<汚穢>に壊され、またチサヨとの居場所がなくなってしまうと考える。さらにここならばクニミが死んでしまっても、<汚穢>の呪いさえなくなれば優しい里の皆に囲まれチサヨも一人で生きていけると思い、チサヨのために謎の敵へと立ち向かう。


 追いかけて来た謎の敵に対し、クニミは水の魔術(マグ)で敵の顔を覆い酸素を奪う。このまま溺れさせ倒そうとしたのだが、もがき暴れる敵と一緒にクニミは河へと落ちてしまい――!!

キャラクター紹介
  • クニミ
    領主から任されて付近の森全体を管理しているヒュケナイに拾われ、彼の下で働いていた。地上の人間界ふうに言う「魔法使い」のインから<予言の子>と呼ばれているが…。
  • チサヨ
    クニミの妹。
  • イン
    魔術師であり予言者。クニミが里を救う<予言の子>だと言っている。
  • アナト
    里を見て回り、<汚穢>を駆除する“役目”を持つオーヴォー家の人間。