[大正処女御伽話]桐丘さな

大正処女御伽話 第1〜3巻 桐丘さな
前回までのあらすじ

 時は大正。事故で右手の自由を失い、千葉の田舎で養生する青年・珠彦の元に夕月という少女がやってくる。彼女は、珠彦の世話をさせるためにと彼の父親が買ってきた嫁。世の中の全てに嫌気がさし、引きこもりの厭世家(ペシミスト)となり果てていた珠彦だが、天真爛漫で献身的な夕月と一緒に暮らすことで、少しずつ変わっていく――!

 入学試験を受けた後、珠彦は今か今かと合否結果を待っていた。夕月・綾・珠子の三人も同じく合否結果が気になっていたが、珠子は珠彦の家の居心地の良さに、なかなか実家に戻れずにいた。そのことで悩んでいた珠子だったが、夕月と綾に心配されてしまう。二人の優しさに触れて胸がいっぱいになった珠子は、志磨家で過ごした辛い日々を二人に打ち明ける。姉に虐げられ、助けを求めた父にも拒絶された珠子は、いつしか独りで強く生きていくように。そして明日家へ帰る決心をしたものの、優しくされるたびにまた孤独になるのが不安になってしまう、と話した珠子は、夕月からある提案をされる。それは、珠彦と一緒に寝て語り合うことだった。恥ずかしがりながらも、珠彦と同じ布団に入った珠子。珠彦は、大晦日の夕月の誕生日を祝ってあげたいから、また帰っておいでと言う。珠子は兄の優しさに思わず泣きだしてしまい、そんな彼女を珠彦は優しくなだめるのだった。

 翌日、珠子の見送りに来ていた夕月達。珠子が汽車に乗り発車したその時、珠彦が駆け付け、無事試験に合格したことを伝えたのだった。そして時は過ぎ11月、入学した学校へ向かった珠彦は、そこでもう一人の転入生と出会う。その転入生とは、歌手・白鳥ことりの双子の兄で…!?  

キャラクター紹介
  • 志磨 珠彦
    (しま たまひこ)
    金持ちの家に生まれ、愛情以外は不自由なく育てられた。しかし去年、乗っていた車が事故に遭い、母親と右手の自由を失う。父親から千葉の別荘と嫁を与えられ、現在は養生中。17歳。
  • 夕月
    (ゆづき)
    珠彦の世話をするために、彼の父親に20万円で買われた。天真爛漫な14歳。年齢の割に家事が完璧にできる。珠彦からはユヅと呼ばれることも。
  • 志磨 珠子
    (しま たまこ)
    珠彦の妹。12歳でありながら高身長で綺麗な髪を持つ、いわゆる美少女であるが、珠彦曰く他人の負い目につけこんで毒舌を吐く「悪女」。しかし、甘いものが好きで暗闇は苦手など年相応の一面を見せることも。

  • (りょう)
    珠彦・夕月と同じ村に住む娘。二人をからかって楽しんだりするものの、酒浸りの父にかわって弟たちの世話をしたり、面倒見がいい面もある。
  • 美鳥
    (みどり)
    夕月の女学校時代の親友。夕月が珠彦のところへ来てからも、ずっと文通を続けている。
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