【インタビュー 第1回】伊藤智彦×凸ノ高秀 クリエイターズSQ.

第1回【アニメ業界編】
アニメ監督
伊藤智彦
『ソードアート・オンライン』『僕だけがいない街』
このコーナーは
我々の興味の中心でありながら、意外と実態を知らないエンタテインメント業界。本コーナーでは業界で活躍するクリエイターたちを取材し、その仕事の実情を探って行く!今号では、現在最も勢いのあるアニメ監督の一人・伊藤智彦監督が登場! 全三回に渡って「アニメ監督の仕事」についてご教示頂く!
「日に数度、
心が『アニメ』から離れます」
伊藤智彦監督のアイデア出しとは!?

――(本誌記事より)アニメ監督はオンエア中は多忙とのことですが、ご自宅で仕事はされますか?

伊藤 コンテのラフ作業やシナリオチェックくらいはしますが、基本的に仕事は家ではしない方がいいかな、と思っています。コンテの清書をやる時はスタジオに入り、そして終わらせて帰る!でも考えることはほぼ24時間やっています。特に自転車に乗っている時がいいですね。有酸素運動をしながら考えていると、いいアイデアが出そうな気がします。

――アイデアの元として本や映画などを観られると思いますが、毎月どれくらいご覧になっていますか?

伊藤 その時のスケジュールや季節に依ります。本は寒いとあまり読めないので(笑)。逆に好きなものが出るとドドっと読むので平均は出しにくいですが、月に3冊は読みたいですね。映画も毎週末行く時もあれば、全然行かない時もありますが…家やスタジオで観る分も含めて、月に10本くらいでしょうか?そんなに多くはありませんね。

――インプットしている際は、演出のアイデアを探しながら観るのでしょうか?

伊藤 いえ、普通に楽しんでいます。というか、仕事のことはずっと頭にあるので。…そういえばこの前『刃牙道』(板垣恵介)という漫画を読んでいると、本部以蔵という柔術の達人が毎日の稽古について質問されて、回数や時間ではなく逆に「日に数度、心が『武』から離れます」と言うんです。「これ俺、分かるわー!」と(笑)。俺もアニメのことを忘れる時の方が少ない。何か面白いものを見たら「これ、今やっているあのシーンに使えるんじゃないか?」とか考えてしまう。並行して動いている仕事が常に複数あるので、何かあれば、その内のどこかにはコネクトできるんです。

――常に仕事を意識することは苦になりませんか?

伊藤 いえ、あまり。アニメは仕事と言いつつも半ば趣味みたいなものなので、これでお金を稼げているのはラッキーです。映画を見てもBlu-rayを買っても「これは仕事の参考資料ですから!」と言えますし。生活のあらゆるものが役に立つ、こんなおいしい仕事はなかなかないです(笑)。

――常に持ち歩いている仕事のツールはありますか?

伊藤 iPhoneくらいです。昔から仕事道具に憧れはあって、メモ帳やLAMYの万年筆を持ち歩こうとしていましたが、こだわりを持つと逆に面倒くさくなりました。100円のボールペンや、余り紙の裏面でいいんです。持ち歩きはできませんが、去年、液晶タブレットを買って絵コンテのソフト「Storyboard Pro」を導入し、ついでにMacBookをiMacに替えました。この3つの組み合わせが快調で、もう手描きでコンテは描いていません。

第2回 これまで知らなかった監督の苦悩!

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