こじらせ百鬼ドマイナー 南郷晃太

前回までのあらすじ

ストーリー

 東京から四国へ引っ越してきた渡海隼人が転校することになったのは妖怪の通う妖怪学校だった! クラスメイトは世間では知名度の低い四国のマイナー妖怪達。それ故に彼らは多種多様な方向でマイナーをこじらせていて…!?


 飴宮の家がやってる和菓子屋『飴嘗屋』にやってきた渡海達。カフェも併設されてる飴嘗屋だが、売り子の飴宮はメニューを頑なに教えてくれない。実はお店のメニューはほとんどが飴宮の父が飴宮との思い出にちなんで名付けた‟初夏メニュー”だったのだ。この“激恥メニュー”をなんとか隠そうと奮闘する飴宮だったが、最終的にはお店のポップをみんなに見つけられてしまう。渡海達に声を揃えて“初夏大好きセット”を注文され、気恥ずかしいやらショックやらでむくれる飴宮。仕事に戻ろうとすると、渡海達がそれぞれ自分のお菓子を取り分けて、オリジナル“初夏ちゃん大好きセット”を作ってくれた。


 こうして飴嘗屋を満喫した渡海達だったが、帰り道、渡海は母から譲り受けたお守りの中身を落としてしまい…。


 次の日、風邪で寝込んでしまった渡海。お見舞いに来た飴宮達に対応しようとするも、渡海の父・鷹直のせいで、顔を出せない状況になってしまう。仕方なく、渡海は聞き耳を立てて、鷹直と飴宮達の会話を聞くことに。すると鷹直は渡海が反抗期で何も教えてくれないこと等を飴宮達に話し、渡海の学校での様子を聞いていた。それに対して、「私達は渡海くんが四国に来てくれて毎日楽しいです!」と飴宮達は答え、鷹直も一安心する。


 飴宮達の帰り際、みんなにお礼と「また明日」のあいさつを伝え、その日の夜はぐっすり眠れた渡海。しかし、次の日から渡海は魍魎分校に辿り着くことが出来なくなってしまいーー…!?

キャラクター紹介
  • 渡海 隼人
    (とかい はやと)
    どういうわけか妖怪の学校に転校してしまった人間の男の子。都会っ子。
  • 飴宮 初夏
    (あめみや はつか)
    男の人の身体を嘗める癖を持つ徳島のマイナー妖怪・嘗女。過去のトラウマからマイナーをこじらせた秘密主義に。しかし自己情報管理は飴の如く甘く、無意識に舌を滑らせがち。
  • 紅坂 光子
    (こうさか こうこ)
    人間界でのアイドルを夢見る妖怪。土佐三大妖魔のうちの一つ、赤頭(あかがしら)。激しい自己発光により、めちゃくちゃまぶしい。
  • 瀬々良木 碧
    (せせらぎ あおい)
    愛媛県の全身ずぶ濡れ妖怪・濡女子(ぬれおなご)。ひたすら自尊心が低く、自分が近付くとあらゆるものを濡らしてしまうことを気にしている。
  • 相模 次郎
    (さがみ じろう)
    香川県五色台白峰の天狗。八天狗の1つ相模家の正統な後継者であり、いずれは香川妖怪の頂点に立つ存在。高校を卒業するまでの限られた自由な時間を大切にしている。
  • 首野
    (くびの)
    人を誘い出し、首を吊らせる妖怪狸の2世。自縄自縛を強要してくる。
  • 夜行
    (やぎょう)
    徳島に伝わる首切れ馬にのり夜の道を徘徊する鬼。秩序を愛し、風紀委員として校則違反を厳しく取り締まる。
  • 嗤村咲笑
    (しむら さえ)
    土佐三大妖魔の一つ『笑い女』で、夢は「お笑い界のスター」。普段は能面クールだが、一度笑うと周囲を笑いの渦に巻き込む力を持つ。紅坂の言動が嗤村のツボで、紅坂をコンビの相方に誘っている。