ウイルスによって人口が激減し、突如現れた吸血鬼の脅威にさらされる人類。吸血鬼に対抗できるのは日本帝鬼軍が誇る吸血鬼殲滅部隊のみだった。吸血鬼に家族を殺され、復讐を誓う少年・優一郎。彼は軍に身を置き、親友や家族の想いを背負って血塗られた道を行く。
状況を何も知らない優一郎たちに、ある「計画」について話し始めたクルル。彼女の口から明かされたのは、その計画の始まりに「柊真昼」が関与していた事実だった。一般には“『鬼呪』を作って死んだ天才”、“ウイルスから人類を救った救世主”とされている真昼。柊家を裏切っていたとも噂されるが、真実は知られていない。
実妹であるシノアは、真昼の記憶を思い返すと同時に自らの幼少期を振り返る。柊家当主の“種”と鬼の呪いを元に、優秀な女信徒の胎から生まれたシノア。毎日人体実験をされるも、姉の真昼とは異なり周囲の期待に応えられなかった。そして次第に実験も減らされていき、シノアは幼心に、期待を一身に受けることになる真昼を案じた。
当の真昼は、グレンに恋をしていた。しかし“恋”という欲望は、鬼に利用される引き金となり得るもの。そのため「他者にも鬼にも感情を悟られてはならない」とシノアに告げ、シノアがいつか欲望を暴走させてしまう前に、彼女の心を壊そうと殴打するのだった。さらにいずれはシノアの中の鬼をも引き受けるつもりだと語った真昼。彼女の行動はすべては妹を守るためで、グレンへの恋も自分が普通の人間に戻ることも諦めていた。
シノアに促され、クルルは8年前に真昼が訪ねてきた時の話を再開。クルルは突如現れた真昼から、「ユウとミカエラ、アシェラ・ツェペシの居場所を伝えに来た」と言われ――…?