茜部先生は照れ知らず 多治見尚哉

前回までのあらすじ

ストーリー

 憧れの漫画家・茜部(あかなべ)アキラのアシスタントになった漫画家志望の崎枝(さきえだ)コウキ。茜部は崎枝の描いた絵を一切の照れもなく真面目な顔で、ストレートに褒めまくり始める。そんな中、まさかの茜部からの告白により、二人は恋人同士になるが、彼女からの褒め攻撃は加速する。照れて仕事が捗らないと訴える崎枝に、なるべく崎枝を照れさせない褒め方を覚えることを初めての「恋人のために頑張る」ことだと、ワクワクする茜部だったが…?


 常連客として茜部が通う「喫茶マウンティム」で働く洞戸(ほらど)ちえは茜部のファンであるゆえに、彼女に対し自分みたいな人間がファンであることが烏滸(おこ)がましいと思いアルバイトを止めるか悩んでいた。 そんな時、崎枝が茜部と一緒に来店し、彼に見せる茜部の笑顔を見て崎枝が彼氏だと推察する。笑顔も見られてアルバイトに悔いはないと思う洞戸だったが、茜部にサイン会に最初に来てくれたファンだと認知されている上に自分が働いていることが茜部のこの店に通う理由でもあると知り、一生働くとマスターに宣言する洞戸であった…。

キャラクター紹介
  • 茜部 アキラ
    (あかなべ あきら)
    漫画『紅の魔女』の作者。アシスタントである崎枝を照れることなく褒めちぎる。茜部の告白により、崎枝と交際を始める。
  • 崎枝 コウキ
    (さきえだ こうき)
    憧れの漫画家・茜部の漫画アシスタント。アシスタントになる前から、茜部の作品である『紅の魔女』の大ファン。茜部からの褒め殺しに翻弄される。
  • 八百 桜
    (やお さくら)
    漫画『初恋は東京』の作者。茜部の大学時代からの親友。関西弁。友人想いではあるが感情豊かで極端な性格。恋愛に関してかなり初心。
  • 各務 はるか
    (かかみ はるか)
    茜部の担当編集者。明るく元気な性格だが、連絡ミスが多く少し雑なところも。彼氏はできたことがない。