茜部先生は照れ知らず 多治見尚哉

前回までのあらすじ

ストーリー

 憧れの漫画家・茜部(あかなべ)アキラのアシスタントになった漫画家志望の崎枝(さきえだ)コウキ。茜部は崎枝の描いた絵を一切の照れもなく真面目な顔で、ストレートに褒めまくり始める。そんな中、まさかの茜部からの告白により、二人は恋人同士になるが、彼女からの褒め攻撃は加速する。照れて仕事が捗らないと訴える崎枝に、なるべく崎枝を照れさせない褒め方を覚えることを初めての「恋人のために頑張る」ことだと、ワクワクする茜部だったが…?


崎枝は、店員の雰囲気に流されてしまい服を買うことが苦手とのことで茜部を買い物に誘う。崎枝の顔が好きなため、何を着ていても好きと茜部にまっすぐ言われ、照れてにやけてしまう崎枝。
 元々顔の好みはなかったが、崎枝に恋した瞬間から崎枝の顔が好みになり、服も含め恋をすると好みが変わったという茜部。対して、崎枝は茜部のマンガに恋をしてアシスタント募集に応募したため、マンションの外観などから家具の一つ一つまで全部素敵に見えたと伝える。崎枝に言われると、家のものが捨てられなくなっちゃうとぼやく茜部であった。


 茜部へ愛情表現をしたい気持ちが高まった崎枝は、お互い和服を着る約束で夏祭りに彼女を誘い出掛けることに。自分から「可愛い」と先に褒めたいと思うが、いつも通り彼女から褒められ、なかなか気持ちを伝えられない崎枝。
 崎枝が人に酔って体調を崩したため、二人は人混みから離れて休む。花火を見て綺麗と呟く彼女に対し「アキラさんの方が綺麗ですよ」とつい想いが溢れた崎枝。照れて慌てるが、茜部にキスをされて「大好き」とお互い想いを伝え合って――…。

キャラクター紹介
  • 茜部 アキラ
    (あかなべ あきら)
    漫画『紅の魔女』の作者。アシスタントである崎枝を照れることなく褒めちぎる。茜部の告白により、崎枝と交際を始める。
  • 崎枝 コウキ
    (さきえだ こうき)
    憧れの漫画家・茜部の漫画アシスタント。アシスタントになる前から、茜部の作品である『紅の魔女』の大ファン。茜部からの褒め殺しに翻弄される。
  • 八百 桜
    (やお さくら)
    漫画『初恋は東京』の作者。茜部の大学時代からの親友。関西弁。友人想いではあるが感情豊かで極端な性格。恋愛に関してかなり初心。
  • 各務 はるか
    (かかみ はるか)
    茜部の担当編集者。明るく元気な性格だが、連絡ミスが多く少し雑なところも。彼氏はできたことがない。
  • 茜部 さや
    (あかなべ さや)
    茜部の妹。大学1年生。素直でまっすぐな性格。一度運動のスイッチが入ると満足するまで家に帰らないほどの運動好き。