あめとうみ ヤマガタアツカ

前回までのあらすじ

ストーリー

同じ中学出身というだけでよく知らない同級生・宇海(うみ)と、高校でクラスメイトになった逢芽(あめ)。新しい環境で空回る宇海を放っておけず、助け船を出したことをきっかけに少しずつ宇海との距離が近づき始め――。


 演奏会での逢芽の演奏を聞いて楽しい気分の宇海だったが、母親に話そうとするが、話を聞いてもらえないどころか小言を言われてしまう。
そんな中、逢芽に吹奏楽部強豪校の定期演奏会へ誘われ、逢芽と宇海と先輩の3人で行くことに。


 チケットは「友達」から貰ったと語る逢芽。行くつもりはなかったけど演奏会の一件から自分に今できる“何か”を考え始め、行くことを決める。 自信に満ち、自分にできる“何か”を明確に持つ同年代の演奏を聴く中で、自分はきっと物語の主人公にはなれない…でも漠然と自分ももがきたいと思ってしまうのは何故だろうかと、考えてしまう逢芽と宇海だった。


 演奏会後、ご飯に行こうかという流れの中、宇海は自分の気持ちを誰かと共有する勇気も、話を聞いてくれるくらい自分に興味を持ってくれる人もいない現状に耐え切れなくなり、帰ってしまう。ところが逢芽からやっぱり今、3人で話したいと連絡が来る。
 逢芽は先輩と話す中で、休みの間も自主練でやりたい人で集まろうという話になり、コンバスとして宇海も一緒にという誘いも兼ねて、連絡してくれたことを知る。しかし自分みたいのが行っていいのかと思わず口に出すが、学校も部活も頑張っている宇海なら来ていいのだと、肯定してくれるのだった。


ファミレスに集まった3人。前は出なくてもいいと言っていた大会に、出たいという意向を先生に伝えるのはどうかと提案を出す逢芽。悩むのをやめて吹奏楽に全力を出そうと思い始めるが、そうなると避けては通れない旧友との過去の悶着があるようで――?

キャラクター紹介
  • 音坂逢芽(おとさか あめ)
    高校1年生。中学から続けて吹奏楽部でトロンボーンを吹く。どこか達観して見えるのは、学校生活にも人生にも何も期待していないからだと当人は語る。「めんどくさいこと」は好きじゃないので何事にも基本首は突っ込みたくない性格。
  • 空咲宇海(からさき うみ)
    高校に入学するも1週間無断欠席していた。馴れ馴れしいクラスメイトに心底うんざりしているが、拒めず笑顔で接する。中学時代は逢芽と同じ吹奏楽部に所属しコントラバスを担当していたが、ユーレイ部員で、逢芽とも顔見知り程度の仲だった。