Mr.Clice 秋本治

前回までのあらすじ

ストーリー

 国家特別工作機関(特工)のエージェント・繰巣 陣(くりす じん)は任務中の事故により死亡。しかし、最優秀であった彼を失うことを良しとしない特工の判断により、女性テニスプレイヤーの死体に脳を移植することで、女として復活。女性エージェント・クリスとして様々な任務を言い渡されるが、圧倒的なスキルによりそのことごとくを遂行していくのだった。


 クリスは今回もウエルチとマリィの女性チーム3人での任務に駆り出された。
 向かった先はポルトガル…「不穏な動き」を見せる世界ツアー中の世界的バレエ団・マカロフスキー劇団への潜入調査だ。


プリマとして劇団に入る設定で劇団と無事合流した3人。そこには世界的プリンシパルのマリーナが所属しており、バレエに詳しいウエルチとマリィはテンションが上がる。そんな中、この土地の富豪・エスト王が来賓し、劇で本物の絵画を貸し出してもらうようプロデューサーのトルマコフが交渉、無事に許可が下りる。
 そんな中、クリスの命を昔から狙い続けている武装組織「death8」(デスエイト)が劇にクリスが出ることを知り爆弾を会場に仕掛けたと犯行声明を出してきた。
 皆が楽しみに待つ公演を守るべくクリスは幕が上がる中爆弾捜索を開始。実際に踊れるウエルチとマリィは出演し公演は進む…。


 爆弾を全て回収し公演を無事に終えたマカロフスキー劇団。しかしそこでクリスに新たな情報が届き「不穏な動き」の真相が判明する。
 クリスはトルマコフとマリーナを呼び出し、3人だけで話を始める。「不穏な動き」とはこの2人がスポーツ賭博に傾倒し200億円の借金を背負っていることだった。そこから、今回の公演で借りた本物の絵画を偽物とすり替えて借金のかたにしようとしていたのだ。


 しかしクリスは、スポーツ賭博は元締めのヤクザによるイカサマで成り立っていて、借金もその計略に引っかかったものであるとした上で、バレエを心から愛し、劇団を信用して絵画を貸し出し、しかも民間人を無料で招いてまでいるエスト王の気持ちを裏切ってはいけないと諭し、ヤクザは自分が永久に抹殺すると約束。みんなの憧れのプリンシパルでいてほしいと説得する。


 後日…ヨーロッパで阿漕(あこぎ)な賭博で儲けるヤクザの一味が壊滅した。重武装したクリスは“みんなの憧れを守る”という任務を見事全うするのだった――――!!

キャラクター紹介
  • 繰巣 陣/クリス
    (くりす じん)
    特工の最優秀エージェント。任務中事故で死亡してしまったが、脳移植により女性の体で復活した。実績を積めば男の体に戻すという言葉を信じ、日夜無理難題な任務に挑む。
  • アレキサンダー・ベラマッチャ
    特工のイタリア支部の諜報員。クリスとは男時代からの仲で、現在でもクリスと共に任務をこなし、世界中を飛び回る良き相棒である。
  • 雨笑笑 笑太
    (うひょひょ わらった)
    特工の中央工作局工作局長で、クリスの上司。いつもクリスに難関な任務を言い渡す。クリスは女の体のほうが成績も良く、予算も無いため、男に戻したくないのが本心のようだ。