Mr.Clice 秋本治

前回までのあらすじ

ストーリー

 国家特別工作機関(特工)のエージェント・繰巣 陣(くりす じん)は任務中の事故により死亡。しかし、最優秀であった彼を失うことを良しとしない特工の判断により、女性テニスプレイヤーの死体に脳を移植することで、女として復活。女性エージェント・クリスとして様々な任務を言い渡されるが、圧倒的なスキルによりそのことごとくを遂行していくのだった。


 アメリカを狙った電子機器を狂わすミサイルによる某国のテロ攻撃によって、アメリカが報復の準備を始め、緊張が高まる。そんな中、クリスに第三次世界大戦を止めて来るよう指令が下る。


 今回の協力者・ヒヴァの調べで、マザー博士がカギを握っていることを突き止めたクリスは、さっそく博士とコンタクトをとるため彼女のもとへと向かう事に。
 しかし、到着したマザー博士のいる研究施設では、既に米軍特殊部隊が突入しており、今まさにマザー博士が亡命か射殺かを迫られている場面に出くわすのだった。


 アメリカ軍の亡命の誘いを蹴ったマザー博士に銃口が向けられたその時、博士の脇に立つ少女がテレパシー攻撃で包囲する特殊部隊を全滅させてしまうのだった。少女こそ、例の兵器の真の発案者であり、人工的に造られた超人・人造人間(ヒューマンチャイルド)であるとヒヴァから説明を受けるクリス。そんな少女が、隠れているクリスたちの存在に気づき視線を送ってきた…彼女にはテレパシーによる読心もできるというが、それを聞いたクリスは逆に彼女へ「君たちを守りに来た」という思考を読ませるのだが、博士と少女は無視して逃走してしまう。


 車で逃げる博士だったが、そこへ特殊部隊が襲撃をかける。が、間一髪追ってきたクリスによって特殊部隊は蹴散らされ、博士と少女に味方であるとアピールすることに成功。セーフハウスで落ち合うことに。
 博士曰く、この少女は人造人間ではなく天才になるよう遺伝子を組み替えて生まれた試験管ベビーで、それこそが「次世代人間」とも言える存在だと語る。博士は、未来を称えず今を生きる、自分の信じる道を進むだけだと、クリスに言う。


 正しさも間違いも、全て自分の意志で決める彼女のカッコイイ生き様に感動するクリスであった。

キャラクター紹介
  • 繰巣 陣/クリス
    (くりす じん)
    特工の最優秀エージェント。任務中事故で死亡してしまったが、脳移植により女性の体で復活した。実績を積めば男の体に戻すという言葉を信じ、日夜無理難題な任務に挑む。
  • アレキサンダー・ベラマッチャ
    特工のイタリア支部の諜報員。クリスとは男時代からの仲で、現在でもクリスと共に任務をこなし、世界中を飛び回る良き相棒である。
  • 雨笑笑 笑太
    (うひょひょ わらった)
    特工の中央工作局工作局長で、クリスの上司。いつもクリスに難関な任務を言い渡す。クリスは女の体のほうが成績も良く、予算も無いため、男に戻したくないのが本心のようだ。