Mr.Clice 秋本治

前回までのあらすじ

ストーリー

 国家特別工作機関(特工)のエージェント・繰巣 陣(くりす じん)は任務中の事故により死亡。しかし、最優秀であった彼を失うことを良しとしない特工の判断により、女性テニスプレイヤーの死体に脳を移植することで、女として復活。女性エージェント・クリスとして様々な任務を言い渡されるが、圧倒的なスキルによりそのことごとくを遂行していくのだった。


 フランスの対テロ組織のトップ・ギャバン総裁が暗殺された。しかも凶行に使われた武器は、最新鋭の物を超える技術で作られたと思われるレーザー銃であった。フランス郊外にこの事件に関与したと思われる工場があり、その調査にクリスと美女諜報員・ラクエルが向かう。


 潜入したクリスたちが見たものは、ただの工場を警備するテロ組織「蠍(さそり)」の構成員たちだった。睨んだとおり、この工場は裏でテロ組織の武器工場として使用されていたのだ。
 そして、クリスの目に飛び込んできたのはギャバン総裁を殺害した犯人…なんとそれは人型の高性能ロボット・ソルジャードールだった。しかし、クリスの持ち込んだ熱感知器はそのロボットが人間である可能性を示しており、謎を残す。


 兵器開発者の博士とソルジャードールの回収のため突撃するクリスとラクエル。襲い来るソルジャードールの戦闘能力に苦戦するクリス。しかし、ソルジャードールの身のこなしを見たラクエルは、自分に相手を任せてほしいと買って出る。


 ソルジャードールの正体は、ラクエルの直観のとおり彼女の少女兵士時代の旧友・イブであった。「蠍」に拉致され生き別れになった後、イブはAI兵器の戦闘スキルのベースとして脳波を全て移植され、人間の体は死に、記憶は全て消去されたのだという。
 ラクエルの首を締め上げるソルジャードール。ラクエルはイブになら殺されてもいいと、つかの間の再会を涙ながらに喜ぶ。その姿を見たソルジャードールは突如ラクエルの絞殺を中止し、博士を拘束して諸共溶鉱炉へと落ちていったのだった。落ち行く最中、ラクエルを見つめるソルジャードール。最期の一瞬、彼女は人間としての命を、取り戻したのかもしれなかった―――。

キャラクター紹介
  • 繰巣 陣/クリス
    (くりす じん)
    特工の最優秀エージェント。任務中事故で死亡してしまったが、脳移植により女性の体で復活した。実績を積めば男の体に戻すという言葉を信じ、日夜無理難題な任務に挑む。
  • アレキサンダー・ベラマッチャ
    特工のイタリア支部の諜報員。クリスとは男時代からの仲で、現在でもクリスと共に任務をこなし、世界中を飛び回る良き相棒である。
  • 雨笑笑 笑太
    (うひょひょ わらった)
    特工の中央工作局工作局長で、クリスの上司。いつもクリスに難関な任務を言い渡す。クリスは女の体のほうが成績も良く、予算も無いため、男に戻したくないのが本心のようだ。