明治十六年。剣心が不殺を誓った流浪人として東京に流れ着いて5年。神谷道場に、剣心の宿敵・志々雄の遺刀「無限刃」を継ぐ青年・明日郎と、白人との混血児・阿爛、更に謎の女・旭を道場に迎え、かくも平穏な日々を過ごしていた。
そんな中、西南戦争で死んだはずの薫の父・越路郎が北海道・函館で生きていることが判明。剣心と薫は越路郎を迎えに函館に行く事を決める。しかし、剣心たちを北の地で待っていたのは、日本中の“猛者”を集め、時には戦乱を故意に引き起こすことで“実戦経験”を積ませ、外国勢力に対する戦力増強を掲げる「劍客兵器」たちとの戦いであった―――!!
役人殺しの実検戦闘実行犯の劍客兵器・雹辺 双(ヒョウベ フタツ)と相対する斎藤と永倉。しかし、斬ってもダメージを受けない雹辺に攻めあぐねる。そこへ、阿部が割って入り雹辺を追い詰める。彼が望む「新撰組が斃せない敵に、御陵衛士である阿部が勝利する」目的を果たさんと、引き金を引く。
優勢に見える阿部。しかし対する雹辺は、不可視の刃を以って形勢をあっさり崩す。
そんな中雹辺は「御陵衛士」という名が、劍客兵器が日本中の猛者をまとめた「猛者人別帳」の「新撰組」の“備考欄”にあったことを思い出す。“備考欄”などと言われた阿部は雹辺に、その人別帳に自身が慕う「御陵衛士」の先達たち…そして服部武雄の名があるが尋ねるが、いずれも記載無し。挙句に雹辺は「新撰組に敗けた雑魚連中」などと吐き捨てる。
激昂する阿部を諫めたのは斎藤と永倉であった。永倉は、阿部が慕った服部が最期に阿部たちへ語った「各々の意思と人生を新世代に繋げ」という遺言を引用し、刀から離れられない自分たちと違い、別のかたちで活躍できていることを誇るべきだと諭す。
そして永倉新八が、「新撰組」が、相対して正当に強者と認めた「御陵衛士」すら知らない“潜り”相手に、永倉の必殺剣が舞う――――!!