冒険王ビィト 原作/三条 陸 漫画/稲田浩司 デザイン協力/中鶴勝祥

前回までのあらすじ

ストーリー

 “ヴァンデル”…それはこの世界での魔人の総称。突如、現れた彼等は、増殖し世界を蹂躙し始める。人々はいつ終わるとも知れない日々を“暗黒の世紀”と呼んだ。正義を信じる少年・ビィトは最強の戦士・ゼノンに憧れバスターとなるが、ゼノン戦士団と魔人・ベルトーゼの戦いに巻き込まれて瀕死の重傷を負ってしまう。しかし、ゼノン達の機転で生命と共に才牙を託され、一命を取り留める。それから3年後、修行を経て一人前となったビィトは、幼なじみのポアラと共に全魔人を倒すための旅に出る――。


 戦いの中で確実に力をつけていくビィト。一方で、その存在を脅威に感じた魔人達は、最強を誇る“七ツ星”の魔人を集め、順にビィトの命を狙う。ビィトを倒した魔人は“八ツ星”となり、魔人を統べる王になるという。


 「私を…ビィト戦士団の一員にしてほしい!」


 グランシスタ国王の勅命により、魔賓館があるとされる「エンドワールド」へ向かったビィト戦士団の前に立った魔人・ノアは、ビィトの仲間になりたいと言ってきた。


 その言葉が真実であると証明するかのように、自らが与えた戦士団へのダメージを治療し回復してみせるノア。そうする間も「どうすればノアに勝てるか」を考え続けているビィトに、自身の能力の解説を始めるノア。「ガイアコーディネイト」と名付けられたそれは、目視できる範囲でならどこへでも、目標の座標を“自分のところへもってこれる”能力。移動するのは世界のほうだが、他者から見ればノアが瞬間移動したようにさえ見える力だ。
 それを聞いてなお攻略法を模索するビィトにノアは、ビィトは頭が良くないと自称しているが、そんなことはないし特に戦闘においてはまぎれもなく天才であると太鼓判を押す。


 ノアは、魔人サイドで起こっていた事情や、戦ってきた敵たちの意図を事細かに話した。その上でノアは、そもそも「人と魔人は争うモノ」という前提自体に疑問をもっていて、その答えを見つけたいのが望みであり、その結果戦いを止められるのなら…ビィトの理想と同じ「暗黒の世紀を終わらせる」ことになると語る。


 ノアの偽りなき言葉にビィトは、彼を『影の六人目』として戦士団へ迎え入れる。別行動をとるノアを見送る戦士団。その去り際、ノアが語ったのは魔人たちさえ会ったことのないシャギーのみが謁見を許されるという魔賓館の支配者の名。暗黒なる瞳…ダークネス・アイズ。今まで見えてすらいなかった「ゴール」の気配に気が引き締まる戦士団であった――!!

キャラクター紹介
  • ビィト
    暗黒の世紀を終わらせるためバスターとなった少年。ゼノン戦士団より5つの才牙を託され旅に出る。現在は自らの才牙・エクセリオンbeブレードを手にし、著しい成長を見せる。
  • ポアラ
    ビィトの幼なじみ。バスターとなり、ビィトと共に旅に出る。
  • キッス
    ビィトの旧友。あらゆる天撃を使いこなす天才的な天撃使い。
  • ミルファ
    バスターを取り締まるブロードバスター。見た目に似合わぬ実力者。
  • ゼノン
    ビィトの兄。ビィトの才牙・エクセリオンブレードの元の持ち主。ベルトーゼとの激闘の後、行方不明に。
  • ベルトーゼ
    “惨劇の王者”の異名を持つ7ツ星の魔人。かつてビィトに瀕死の傷を負わせ、ゼノン戦士団を壊滅に追いやった因縁の敵。
  • バロン
    “天空王”の異名を持つ7ツ星の魔人。赤い月の夜には、バロンに同居する別人格“ザンガ”が顔を出す。
  • シャギー
    全魔人の評価と監視をする世界一多忙な魔人。魔賓館の館長も兼任している。
  • スレッド
    かつて、ビィトと共に行動していたバスター。ビィトとはライバルのような立ち位置をとり、成り行きで協力はすれども別行動をしている。実力は高く、戦士団に属していない。
  • ヒスタリオ
    “凶刃”の異名を持つ7ツ星の魔人。驚異の再生能力と、死体をゾンビに変え使役する能力、抜刀する度に刀身の形状が変化する奥義・牙流転生を使う。ビィトを最強のゾンビにすべく動く。
  • ライオ
    ゼノン戦士団の一人。死んだと思われていたが、ヒスタリオによってゾンビとなり復活していた。ゾンビになりつつも自我を保ち、自らの意思でヒスタリオの仲間になったと語る。
  • 翼の騎士
    (つばさのきし)
    正体不明の戦士。ビィトを幾度となく救い、導く。ゼノンや、その戦士団にゆかりのある人物のようだが…?
  • ノア
    “魔人博士”の異名を持つ七ツ星の魔人。小型の魔物でビィトたちの動向を独自に追っていた。シャギーの不審な行動に疑問を持ち、魔賓館の意向は無視して行動を開始する。