華やかに賑わう“極楽街”でどんな難題にも報酬次第で引き受ける「解決屋」を営むタオとアルマ。そんな極楽街では、動物の変死体が出た場所で人が消えるという謎の事件が続いていた。
ある日アルマは、行方不明になった獣人のユキを捜している少年・ルカと出会う。年端に不釣り合いな賞金を出して人捜しをする彼に興味を持ったアルマは、解決屋に連れていき話を聞くことに。
ルカは財閥の御曹司だったが、反対する親に隠れて描き続けていた絵を褒めてくれたユキと無二の友人になるが、そんなユキが行方不明になってしまう。そもそも下級階層である獣人と関わることを父から禁止されていた中でできた友達で、親に頼むわけにもいかず、自分一人で捜そうとしていたところだったという。それを聞いたアルマは彼を手伝おうとするが、ダンボール製の看板を見るや「解決屋」自体を胡散臭いと言われてしまい、ルカは出ていってしまう。
一人でユキ捜しを再開したルカは、偶然街で噂の動物の変死体を発見。しかもそこでユキと再会を果たす。傷だらけのユキはルカを逃がそうと声を出すが、その背後から謎の化物が現れ、ユキを掴むと食べようとし始める。友人を救うためルカは無謀にも化物に立ち向かうが、成すすべなくユキ共々食べられそうになったその瞬間、タオとアルマが駆けつけ、ルカとユキを救出する。
ルカとユキを襲った化物の正体は人間や動物の死体を蘇らせて造られた「禍(マガ)」という存在だった。そんな禍の特別な力の根源である血を生まれながらに持っていたアルマはタオの「解」の宣言を合図に胸から刃を抜き出す。
実はアルマは禍と人の間に生まれた「半禍(はんか)の子」であり、心まで禍になりかけていたところをタオに助けられた過去を持ち、タオと共に解決屋の傍ら対禍専門の殺し屋となったのだ。
アルマの一撃により禍は討たれ、無事にルカとユキを助けることに成功。解決屋でなく禍の掃除のほうでは報酬を受け取らないスタンスのタオとアルマは、ルカからお金は取らず、絵が売れた時に食事を奢る約束だけをして立ち去るのだった。
後日、事務所を訪れたルカは、2人にせめてものお礼としてダンボールに書いただけの雑な看板に代わる立派な解決屋の看板をマークまでデザインし、プレゼントする。
新たな門出となった解決屋に、束の間の平穏が訪れる――…。