極楽街 佐乃夕斗

前回までのあらすじ

ストーリー

 華やかに賑わう“極楽街”でどんな難題にも報酬次第で引き受ける「解決屋」を営むタオとアルマ。その裏では人や動物の死体を使って造られた「禍(マガ)」という怪物専門の「殺し屋」として活動。この世の全ての禍を駆逐するその日まで戦うことを誓う―――!!


 本気でアルマを手に入れようと、ナイフでめった刺しにする枵(うつろ)。一方アルマは体の再生が追いつかずひたすら刺され続ける中、枵に黄泉と同じ指輪を持っていたことに気づかれ、嫉妬心から指輪を奪われてしまう。返してもらうため、アルマは繋縛の杭を抜き、戦闘態勢に。枵の手を切り落とし、すぐさま指輪を奪い返す。その時アルマは、極楽街で頻発している失血死事件の犯人である禍の正体が枵だと気づき――。


 枵は他者に対して酷い依存体質であり、心の不安を拭うために自傷行為を行う最中、失血死で死亡してしまう。そして黄泉の力で“失血死”の禍として、再び蘇ったのだった。


 互いに一歩も引かず、戦いを続けるアルマと枵。アルマが枵を蹴り飛ばすが優しいはずのアルマがそんなことをするはずがないと、必死に元の優しいアルマに戻そうと襲い掛かってくる。そこで不意をついたアルマは、枵の顔を切り落とす。確実に致命傷を与えたはずが、隠し持っていた薬を摂取した枵は体の再生を急速化させて復活し、更なる嫉妬心を燃やし始め…!?

キャラクター紹介
  • タオ
    ドライな性格。怒ると怖い。表は「解決屋」裏では対禍専門の「殺し屋」を営んでいる。
  • アルマ
    身体能力が高く、大食い。人や動物の死体を使って造られた「禍」という怪物と人間の間に生まれた「半禍の子」。心まで禍になりかけていたところをタオに拾われる。
  • 辰臣
    (タツオミ)
    珍事件が殺到する極楽街の情報屋。情報代は高いが、女好きのためタオには安く情報を売っている。
  • ネイ
    蛇穴に属する凄腕剣士の少女。禍に対して誘発作用がある血液を持つ。
  • 黄泉(よみ)
    謎多き白髪の青年。タオしか抜けないはずのアルマの繋縛の杭を抜くことができる。
  • ヨキ
    蛇穴所属。明るく優しい獣人。タオたちの武器を作っている。お金持ち。
  • ダラ
    蛇穴所属。一見クールな女性だが愛情深い性格。ヨキと同じようにタオたちの武器を作っている。
  • 劉(リュウ)
    タオやネイを訓練していた男。厳しく、容赦のない指導者だが、酒好きでめんどくさがりな性格。
  • 夜(よる)
    行方不明になっていたタオの弟・ジンのもう一つの人格。自殺するが、黄泉の力で禍として蘇る。直接首に触れずに、絞め殺すことができる力を持つ。
  • 枵(うつろ)
    宝来飯店の常連客である真木の彼女。超メンヘラで惚れっぽい性格。