茜部先生は照れ知らず 多治見尚哉

前回までのあらすじ

ストーリー

 憧れの漫画家・茜部(あかなべ)アキラのアシスタントになった漫画家志望の崎枝(さきえだ)コウキ。茜部は崎枝の描いた絵を一切の照れもなく真面目な顔で、ストレートに褒めまくり始める。そんな中、まさかの茜部からの告白により、二人は恋人同士になるが、彼女からの褒め攻撃は加速する。照れて仕事が捗らないと訴える崎枝に、なるべく崎枝を照れさせない褒め方を覚えることを初めての「恋人のために頑張る」ことだと、ワクワクする茜部だったが…?


 『紅の魔女』の新刊が発売したため、大ファンである崎枝は20冊も購入。感激して読みながらも、自分で描いた背景に対しより作品に合う処理ができたはずと呟く。その姿を見た茜部に「やっぱりコウキ君のこと大好きだな」と言われ、照れて驚く崎枝。
 作品を愛しながら誠実に仕事をする崎枝の姿勢を見て、こういう人と付き合えたら世界一幸せになれるんだろうなと思ったと茜部に崎枝は言われる。世界一は荷が重いと伝えるが、茜部はもうしてくれたのにと不思議がる。茜部の照れ知らずでまっすぐな発言にいつも通り照れてしまい幸せな熱を出してダウンする崎枝であった…。


 茜部の妹・さやは茜部と喫茶店へ入ろうとした際に、崎枝が女性と一緒にいるところを目撃する。同じ喫茶店へ入ってしまい、崎枝の浮気現場を見てしまったと思い悩むさや。
 崎枝のところに行き、密会について崎枝を問い詰めたところ、なんと茜部が提案した『紅の魔女』グッズの交換会であった。一緒にいる女性は、茜部行きつけの喫茶店店員であり茜部の大ファンである洞戸(ほらど)。女性と二人は駄目と一度は断った崎枝だが、茜部に説得され、今回洞戸と会うことになったのである。
 浮気かと思ったと言うさやに対し、世界一崎枝を愛していて崎枝も自分を大好きでいるから誰の入る隙間もあげないといつも通りまっすぐ照れずに発言し、店内の人全員を照れさせる茜部であった。

キャラクター紹介
  • 茜部 アキラ
    (あかなべ あきら)
    漫画『紅の魔女』の作者。アシスタントである崎枝を照れることなく褒めちぎる。茜部の告白により、崎枝と交際を始める。
  • 崎枝 コウキ
    (さきえだ こうき)
    憧れの漫画家・茜部の漫画アシスタント。アシスタントになる前から、茜部の作品である『紅の魔女』の大ファン。茜部からの褒め殺しに翻弄される。
  • 八百 桜
    (やお さくら)
    漫画『初恋は東京』の作者。茜部の大学時代からの親友。関西弁。友人想いではあるが感情豊かで極端な性格。恋愛に関してかなり初心。
  • 各務 はるか
    (かかみ はるか)
    茜部の担当編集者。明るく元気な性格だが、連絡ミスが多く少し雑なところも。彼氏はできたことがない。
  • 茜部 さや
    (あかなべ さや)
    茜部の妹。大学1年生。素直でまっすぐな性格。一度運動のスイッチが入ると満足するまで家に帰らないほどの運動好き。