茜部先生は照れ知らず 多治見尚哉

前回までのあらすじ

ストーリー

 憧れの漫画家・茜部(あかなべ)アキラのアシスタントになった漫画家志望の崎枝(さきえだ)コウキ。茜部は崎枝の描いた絵を一切の照れもなく真面目な顔で、ストレートに褒めまくり始める。そんな中、まさかの茜部からの告白により、二人は恋人同士になるが、彼女からの褒め攻撃は加速する。照れて仕事が捗らないと訴える崎枝に、なるべく崎枝を照れさせない褒め方を覚えることを初めての「恋人のために頑張る」ことだと、ワクワクする茜部だったが…?


 通りすがりの少年に「滅茶苦茶エロいお姉さん」と言われるほど、かなり無防備な薄着で出歩く茜部。彼女を守ると宣言する崎枝だったが、傘が壊れるほどの大雨が降り、雨で茜部の下着が透けてしまう。
 雨宿りの間、茜部が他の人に見られないようにと彼女の前に立つ崎枝は、雷に驚いた茜部に後ろから抱きしめられる。密着にドキドキする崎枝は少し離れてほしいと彼女に伝えるが、さらに強く抱きしめられ耳元で「もう少しこうしてたいな」と言われて…。


 雨も上がり、無事帰宅する二人。先ほどの災難も、楽しい朝だったと言い「コウキ君と会えたら1日幸せ」とさらっと伝える茜部。それに対し、自然に褒めることを真似して彼女にも喜んでもらいたいと崎枝は考える。
 何度か言おうとするもなかなか伝えられない崎枝。ドライヤーで彼女の髪を乾かしていると茜部の言葉がドライヤーの音で聞こえず聞き返す。すると、顔を近づけられ「大好き」と言われる。照れる崎枝だが、言われて嬉しい言葉は伝え方に関係なく嬉しいと気づき…?

キャラクター紹介
  • 茜部 アキラ
    (あかなべ あきら)
    漫画『紅の魔女』の作者。アシスタントである崎枝を照れることなく褒めちぎる。茜部の告白により、崎枝と交際を始める。
  • 崎枝 コウキ
    (さきえだ こうき)
    憧れの漫画家・茜部の漫画アシスタント。アシスタントになる前から、茜部の作品である『紅の魔女』の大ファン。茜部からの褒め殺しに翻弄される。
  • 八百 桜
    (やお さくら)
    漫画『初恋は東京』の作者。茜部の大学時代からの親友。関西弁。友人想いではあるが感情豊かで極端な性格。恋愛に関してかなり初心。
  • 各務 はるか
    (かかみ はるか)
    茜部の担当編集者。明るく元気な性格だが、連絡ミスが多く少し雑なところも。彼氏はできたことがない。
  • 茜部 さや
    (あかなべ さや)
    茜部の妹。大学1年生。素直でまっすぐな性格。一度運動のスイッチが入ると満足するまで家に帰らないほどの運動好き。
  • エナ
    (えな)
    崎枝と仲良い家族の子。6歳にしては、しっかりしていておませな少女。自分が崎枝の一番の女と思っていたため、茜部をライバル視している。