茜部先生は照れ知らず 多治見尚哉

前回までのあらすじ

ストーリー

 憧れの漫画家・茜部(あかなべ)アキラのアシスタントになった漫画家志望の崎枝(さきえだ)コウキ。茜部は崎枝の描いた絵を一切の照れもなく真面目な顔で、ストレートに褒めまくり始める。そんな中、まさかの茜部からの告白により、二人は恋人同士になるが、彼女からの褒め攻撃は加速する。照れて仕事が捗らないと訴える崎枝に、なるべく崎枝を照れさせない褒め方を覚えることを初めての「恋人のために頑張る」ことだと、ワクワクする茜部だったが…?


 崎枝の近所の子で6歳のエナちゃんが崎枝の仕事に興味を持ち、茜部の仕事場に職場見学にやってきた。自分が彼の一番だと思っていたため、茜部に関係性を見せつけるために来たのであった。
崎枝が仕事をしているひざに座り頭をなでなでされ、子供ならではの強みを見せるエナちゃん。だが、照れずに崎枝にお願いして同じことをする茜部に彼女は衝撃を受ける。
 その後も崎枝に甘えるが、茜部がマネをするため、まったくうまく作戦がいかず…。最後には、「エナちゃんのおかげでああいう甘え方もしたいと気づけた」とお礼を言われる。相手にされない茜部に次こそはもっと良い作戦で崎枝の一番だと証明してみせると誓ったエナちゃんであった。


 雑誌の企画のため、行きつけの喫茶店へ各務(かかみ)とともに取材に伺う茜部。茜部と各務の会話を聞いた茜部の大ファンで店員の洞戸(ほらど)に、ネタに定評があるけど仲の悪い漫才コンビみたいと言われる二人。このたとえにツッコミがないため、不思議に思う各務に「『紅の魔女』は各務あっての作品で、頼りになる相棒と思っている」と照れることなくまっすぐに伝える茜部。その言葉を受け、照れて動揺する各務は、アイスコーヒーをパソコンにこぼしてしまい…!?

キャラクター紹介
  • 茜部 アキラ
    (あかなべ あきら)
    漫画『紅の魔女』の作者。アシスタントである崎枝を照れることなく褒めちぎる。茜部の告白により、崎枝と交際を始める。
  • 崎枝 コウキ
    (さきえだ こうき)
    憧れの漫画家・茜部の漫画アシスタント。アシスタントになる前から、茜部の作品である『紅の魔女』の大ファン。茜部からの褒め殺しに翻弄される。
  • 八百 桜
    (やお さくら)
    漫画『初恋は東京』の作者。茜部の大学時代からの親友。関西弁。友人想いではあるが感情豊かで極端な性格。恋愛に関してかなり初心。
  • 各務 はるか
    (かかみ はるか)
    茜部の担当編集者。明るく元気な性格だが、連絡ミスが多く少し雑なところも。彼氏はできたことがない。
  • 茜部 さや
    (あかなべ さや)
    茜部の妹。大学1年生。素直でまっすぐな性格。一度運動のスイッチが入ると満足するまで家に帰らないほどの運動好き。