“物ノ怪”。それは森や山奥、街中に隠れ住み、悠久の時を生きる妖の類。忍者の末裔として祖父に育てられ、動物と話す能力を持った少年・弐郎は、ある日黒猫の姿をした物ノ怪・羅睺(ラゴウ)と出会う。群れることを嫌い他の物ノ怪に追われていた羅睺を守ろうとして、命を落とした弐郎。彼の行動に心を動かされた羅睺は「借りを返す」と言い彼の体と融合。傷は塞がり、羅睺の刻印を宿して目覚めた弍郎は、その力で物ノ怪を一蹴する!! そんな強大な力に対し、物ノ怪の監視と排除を行う国の秘密組織「公儀隠密局」は弐郎を仲間にすることで管理しようと試みるが!?
咬牙に危機一髪で助けられた羅睺だったが、そのまま天鬼に結界へ閉じ込められてしまった。天鬼の口振りに、「隠密局への復讐」以外に目的があるのではと疑いを持つ羅睺だが…。
一方、弐郎の中にある羅睺の力を恐れる頭目連は、無期限の幽閉もしくは処刑することで力を封じようとしていた。この事態を避けるため、弐郎の中にある人と物ノ怪の相反する性質の力を融和し制御できるようにしようと、祖父で元隠密の我妻寿正に連れられ、伊吹という物ノ怪が縄張りにしている通称「無明の森」へと足を踏み入れる。しかし、その森は人と伊吹の間で相互不可侵の協定を結んでおり、本来は人間が入ってはいけない場所だった。森へ入った初日、食あたりで体調不良となった弐郎が沢で休んでいると伊吹が目の前に現れて……!?