BOXER's BLAST 原作/酒井敦朗 漫画/暁月あきら

前回までのあらすじ

ストーリー

 貧乏高校生・白木屋 隆は、バイトの新聞配達中にボクシングのフェザー級世界チャンピオン・和民 拳斗と出会う。白木屋は、配達で和民がトレーニングするジムへ通う内に、パンチが風を切る音だけで彼の調子を言い当てられるようになっていた。そのことに興味を抱いた和民から、白木屋はボクシングの指導を受けることに。毎朝の練習を通し友情を育む二人だが、和民が交通事故に巻き込まれ、一命は取り留めたものの植物状態に。しかし白木屋だけには幽体離脱した彼の姿が見えて…!?


 世界一になり和民を目覚めさせるため、「半年でプロになりたい」と表明した白木屋。土間は驚きつつ、白木屋を支持する。そして、和民という土台を失い絆が瓦解したジムのメンバーが、かつてはいいライバル関係を築いていたことを語ると、「再び結束し、全力で白木屋をサポートする」と告げる。


 一方、和民ジムの一員である春原は、引退したボクサーが経営するバーで泥酔。春原は、寝たきりになった和民のことで苦しんでいた。事件を起こせば、和民を思い出させるボクシングを辞められると思い、路上でカツアゲをするチンピラに絡む。警察に連れていかれ、白木屋が迎えに行った時には、春原は傷だらけになっていた。しかし警官によれば、相手には全く手を出さなかったという。プロとして、素人に拳を振るうことができなかったのである。


 白木屋と寮に戻った春原は、和民の実の親である会長に対し、「和民が事故に遭ったというのに、なぜ平気でいられるのか」と問いつめる。そして「これ以上和民のいない事実に向き合いながらボクシングを続けられない」と言い、ボクシングを辞める決意をさらに固めてしまう。


 白木屋は、ジムを去ろうとする春原に「和民が戻ってくることを証明してみせる」と言い、和民の𠮟咤激励を伝える。しかし、和民の言葉でも彼を踏みとどまらせることはできず、春原は和民ジムを去ったのだった――  

キャラクター紹介
  • 白木屋 隆
    (しろきや たかし)
    高校生。バイト先の新聞屋に妹と共に間借りし、バイトを掛け持ちして暮らす苦学生。和民との出会いから、ボクシングの道に足を踏み入れる。
  • 和民 拳斗
    (わたみ けんと)
    「日本ボクシング史上最高傑作」と評されるボクシング世界チャンピオン。フェザー級でWBOとWBCのタイトルを持つ。新聞配達中の白木屋に興味を持ち、指導することに。統一戦を前にして交通事故に遭う。
  • 土間 惣介
    (どま そうすけ)
    日本ライト級チャンピオン。和民と出会ってボクシングを始め、今ではジムNo.2の実力者。和民に目をかけられていた白木屋のことを受け入れられずにいたが、実際に打ち合ったことで白木屋の才能を認めた。
  • 春原 俊太郎
    (はるはら しゅんたろう)
    元アマ無敗の男。和民に挑むため、和民ジムに入った。強くなるためなら年上の自分にも容赦をしない和民に、強い信頼感を抱いていた。