ダンボールバチェラー 原作:しょうじなつお 漫画:依光涼太

前回までのあらすじ

ストーリー

 男だらけのむさ苦しい倉庫で行う、荷物の仕分けや整理の仕事。毎日同じことを繰り返し、人としての喜びや、やりがいを見失った大人の男たちが詰め込まれた空間に東(あずま)はいた。そんなある日、彼らの職場に一人の美女が現れる。彼女はアルバイトで入った南 凛音(みなみ りお)。突然の異常事態に沸き立つ男たち…誰もかれもが彼女の目を意識し小奇麗になっていく中、一歩引いた目で男たちの戦いの始まりを目の当たりにした東。勃発した倉庫内恋愛サバイバルに、東の選択は―――!?


 南や、まわりのおじさんたちに触発された東は、毎晩仕事終わりに漫画を描くことを再開していた。しかし流石にまだ持ち込む段階にも進めてはいなかった。
 ある日北白が、自身の夢は、かつて東が言ったようにプロ選手だったと語る。その上で「一番好きな事を仕事にしよう」なんて、結果が出ていない以上、好きが嫌いになるまで打ち込んだ事のない人間の図々しい言葉だと吐き捨てる。「仕事は金を貰う事」である以上「好きな事」はイコールになり得ないというのが北白の半生を懸けて出した答えのようだった。


 そんな中、南が夕方アニメの端約のオーデイションに合格を果たす。暖かい拍手で祝福するおじさんたち。ついに、夢への第一歩を踏み出せる喜びは、南を休憩時間の間倉庫中を駆け回らせるほどであった。

 少し落ち着いた南。東はコーヒーを差し入れ改めて祝福する。東は、先ほどの北白との会話を引きずって、南にも「一番好きな事を仕事にする」のはどう思うか聞いてみる。
 好きな事を嫌いになるくらいなら、一番…は大事に趣味や副業としてとっておいて、二番三番目の好きを仕事にするほうが幸せなのかなと弱気になっていたのだ。
 南は、その考えも素晴らしいと前置いたうえで「仕事」自体を夢や希望と捉えて、それを実現させようと思ったら“「一番好きな事」じゃないとダメ”なんだと胸を張って言ってのけるのだった。


 南の言葉に、自身の夢の形を改めて見つめ直した東…と、それを陰で聞いていた北白もまた、南の言葉に胸を撃ち抜かれたように呆然とたたずむのだった―――。

キャラクター紹介
  • 東 起助(あずま おきすけ)
    漫画家志望の32歳。この倉庫でのアルバイト歴は4年。日銭を稼ぐぬるま湯生活に甘んじて、最近は漫画もロクに描けていない。突如現れた南にドギマギしながらも、ほかの男たちより一歩引いたスタンスでいる。
  • 南 凛音
    (みなみ りお)
    倉庫に舞い降りた女神。もといアルバイター。声優を目指しており、講師に声優は体力勝負と言われたため、体力をつけるためやってきたのだという。現在彼氏はいない模様。
  • 大友優心
    (おおとも ゆうしん)
    元サラリーマンの40代男性。この倉庫のバイトは8年目。小太りなうえ、見た目や周りの目をまったく気にしない男だったが、南の登場でまずは髭を剃り、彼女を射止めるべく行動を開始する。
  • 北白翔太
    (きたしろ しょうた)
    東たちがバイトとして働く倉庫にいる正社員。清潔感溢れる所謂イケメンだが、実は腹黒くアラサーでも夢を見続ける東や南も、南に群がるおっさんたちも嘲笑の対象。南を狙っているが純真な心持ちではないようだ。