『ダンボールバチェラー』 原作:しょうじなつお 漫画:依光涼太

前回までのあらすじ

ストーリー

 男だらけのむさ苦しい倉庫で行う、荷物の仕分けや整理の仕事。毎日同じことを繰り返し、人としての喜びや、やりがいを見失った大人の男たちが詰め込まれた空間に東(あずま)はいた。そんなある日、彼らの職場に一人の美女が現れる。彼女はアルバイトで入った南 凛音(みなみ りお)。突然の異常事態に沸き立つ男たち…誰もかれもが彼女の目を意識し小奇麗になっていく中、一歩引いた目で男たちの戦いの始まりを目の当たりにした東。勃発した倉庫内恋愛サバイバルに、東の選択は―――!?


 東は自分の夢を南に打ち明けようと決意した矢先、この倉庫の若きエースにして“イケメン” 北白翔太(きたしろ しょうた)が南と接触を開始。おっさんたちが結託し、北白を南から引き離そうと試みるが…北白は社員で、バイトのおっさんたちより圧倒的に立場が上。正論でいなされてしまう。


 そんな中偶然、東のミスのフォローに駆り出され北白は南のもとを離れる結果に。平謝りする東に北白は、さっきの爽やかな笑顔と裏腹に冷たい目を向け「ジャマすんな」と告げる。彼も内心南を狙っており、しかしその実声優を目指す彼女を「痛い」と嘲る。さらには、南に必死に群がるおっさんたちにも侮蔑の視線を送るのだった。
 南の「必死」を笑う北白に東は、北白もかつては持っていたはずの夢を、南は今も大切に守っているだけだと反論。すると北白は東の発言に「ムカついた」とし、今日は東の荷物にしておいてよかったと口走る。なんと北白は時折、バイトの仕分けた荷物に別の行先の荷物を紛れ込ませる意地悪をしており、今日は東がそのターゲットだったと言うのだ。


 朝礼でのさらし首と減給ペナルティを覚悟したほうがいいと脅された東。だが荷物がトラックに積み込まれるまで15分の猶予があった。
 東は全力で仕分けのやり直しを始める。まわりのおっさんたちには、勘違いから東は北白に仕分けのタイムアタックで、南を懸けた勝負を仕掛けたことになっており、手伝ってはくれず、しかし熱烈な声援を送られるのだった。


 なんとか積み込みに間に合わせた東。しかし北白には、意地悪は冗談であったため無駄仕事ごくろうとあざ笑わられる。そんな北白に東は、堂々と自分の夢である「漫画家になる」ことを宣言し、さらには南も振り向かせてみせると、宣戦布告し――――!?

キャラクター紹介
  • 東 起助(あずま おきすけ)
    漫画家志望の32歳。この倉庫でのアルバイト歴は4年。日銭を稼ぐぬるま湯生活に甘んじて、最近は漫画もロクに描けていない。突如現れた南にドギマギしながらも、ほかの男たちより一歩引いたスタンスでいる。
  • 南 凛音
    (みなみ りお)
    倉庫に舞い降りた女神。もといアルバイター。声優を目指しており、講師に声優は体力勝負と言われたため、体力をつけるためやってきたのだという。現在彼氏はいない模様。
  • 大友優心
    (おおとも ゆうしん)
    元サラリーマンの40代男性。この倉庫のバイトは8年目。小太りなうえ、見た目や周りの目をまったく気にしない男だったが、南の登場でまずは髭を剃り、彼女を射止めるべく行動を開始する。
  • 北白翔太
    (きたしろ しょうた)
    東たちがバイトとして働く倉庫にいる正社員。清潔感溢れる所謂イケメンだが、実は腹黒くアラサーでも夢を見続ける東や南も、南に群がるおっさんたちも嘲笑の対象。南を狙っているが純真な心持ちではないようだ。