第9砂漠 出口 景

前回までのあらすじ

ストーリー

 動き人を襲う、生きている水・聖霊水(ヒュドラ)。千年前の大戦ののち世界的な広がりを見せる砂漠化現象の中で、人間は水を得るためにヒュドラを狩っている。砂漠は全部で8つあり、さらに第9砂漠という幻の起源の砂漠が存在すると狩人・マオの父は息子に語っていた。

 姿を消した父を捜すため、マオは第9砂漠に向かい旅立つ…!


  尊(みこと)に殺されたマオは、合成人形の頭の中で父親の幻である「遺物の力」と対話していた。
 そこで彼は、第9砂漠とは地球のことで、今マオたちがいる場所は月であると知る。


 遥か昔、ニアは初めて月に行った曾祖父の話を証明するために月へと降り立っていた。彼とほかの仲間たちは「月の石」を手にし、そこで彼らが願った結果、月面は地球そっくりに変わった。ニアは「遺物の力」に宿る意志となった今も、ひたすら地球である第9砂漠に帰ることを強く願っていたが叶っていない。


 マオは「遺物の力」から月の石の模造品をもらい、現世へと戻り敵視した物体をヒュドラと見なし凍て殺す能力をもち尊に反撃をする。そして尊も連れて第9砂漠へ行くと宣言して――…!

キャラクター紹介
  • マオ
    聖霊水(ヒュドラ)を狩る狩人。姿を消した父親を捜すため第9砂漠へと向かう。
  • ニア・アームストロング
    マオの父。第9砂漠を目指し、幼いマオを置いて旅立った。録音機でマオに「ヒュドラの王を探せ」というメッセージを残す。
  • リュカ
    第1砂漠でマオと共にいた少年。狩人に憧れている。
  • カナリア
    音によって重力操作が可能な第2砂漠出身の少女。第2砂漠では『歌姫』と呼ばれる、生け贄だった。
  • シロ
    アルビノのため差別を受けていた。カナリアに保護され、妹として育つ。一級天使で強大な力を持っている。
  • 九天応元雷声普化天尊
    親しい人間からは「みこと」と呼ばれている。干渉者を仲間にし、第9砂漠を目指している。
  • クマド・アルルカン
    特級遺物ウル・メリアに選ばれた王家のうちの一人。遊軍ドラドの主で傷の王で、お人好し。マオに借金返済のために作ったはずの義手を譲る。