高校２年生の東風和音(あゆ かずね)は、過去に世界的音楽フェスW.S.(ワールドサウンド)で一躍日本一の歌姫になった春町さくらの歌声に魅了され、自分の作った曲を彼女に歌ってほしいと夢を抱き、ボカロプロデューサー『おわんP』という名で、楽曲づくりをして夢を追い続けていた。しかし、３年前に彼女が死去したことにより夢を失った。そんな彼だが、偶然クラスメイトの花本(はなもと)の歌声を聴いたのであった。彼女の歌声は、かつて夢のきっかけとなった春町さくらとそっくりであった。和音は、音楽への情熱を取り戻し、花本にW.S.の参加を提案する。当初は断った花本であったが、彼のつくった曲や強い思いに感化され、W.S.開催までの３年間という条件付きで了承し、W.S.への参加を目指す２人であった――!!
MV(ミュージックビデオ)『acrylic(アクリリック)』は3日で100万回再生突破。『おわんP』復活を証明してみせた和音。多くの音楽プロデューサーが接触してくる中、「春町さくら」がデビューしたカナリアミュージックの鳳と顔合わせをすることに。他のプロデューサーと違い、『acrylic』の完成度を認めつつも、100万回再生‶しか″されなかった現状を和音たちに問題点として指摘する鳳。
厳しい意見に、自分にはない広い視野を持ち、成長を促してくれるプロデューサーに巡り会えたと実感した和音は、自分も『おわんP』ではなく『東風和音』として音楽を作ると宣言。さらに、花本の生歌を聴いてほしいと提案すると、鳳も彼女の歌声を聴いてから契約するか判断すると言い、飛び入り参加できるジャズバーを指定。予想外の急展開で人見知りムーブに拍車がかかる花本。それでも、和音の言葉に背中を押され覚悟を決めると、堂々と歌い上げる。その歌声にかつて自分が春町さくらに出会った時と同じ衝撃を受け、同時に似ているが確かに違うと認める鳳。
今後の2人の成長を楽しみにしつつも、和音たちから３年後W.S.(ワールドサウンド)出場を目指していると聞くと、契約する条件に新たな試練を課し――！？
