いろはの門 津田穂波

前回までのあらすじ

ストーリー

 現代まで脈々と受け継がれている徳川政権。今から15年前「反徳川」による江戸城襲撃テロをきっかけに警備体制は見直され、城内警官に代わり「門官」が配備されることになった。
 「門官」の業務は、徳川宗家が外出する際に同行し危険から守る「護衛」。江戸城各門の入り口で城を守る「警備」。モニタールームで監視業務を行う「警務」の3つがある。また、門の総括は正門である大手門本部が行っていた。


  一橋門・モニタールームの伊呂八のもとに清水徳川家・兎斗丸の護衛任務の依頼がやってくる。成瀬と増山で任務に就くが、兎斗丸の身分を笠に着た理不尽な要求により、2人は怪我まで負わされてしまう。すると今度は門長・伊呂八自ら護衛任務にあたることに。
 兎斗丸の理不尽な行いにも嫌な顔一つせず粛々と任務にあたる伊呂八。その忠実さが気に入られ、兎斗丸が個人的に行っている裏の取引現場に護衛として連れてこられる。ところが、交渉は決裂しヤクザに取り囲まれてしまった伊呂八たちだったが人数差をものともせず、軽々と一蹴する。その鮮やかな手並みに、ますます伊呂八を気に入った兎斗丸は清水家直属の門官になるよう勧誘。すると伊呂八は兎斗丸の頬を容赦なく引っぱたき「恥を知りなさい」と一喝。清水家当主に依頼されて兎斗丸を調査していたという伊呂八の正体が、自分より家格が上の一橋徳川家の松平伊呂八だったと知ると、さすがの兎斗丸もおとなしくなり――…。
 宗家血筋でありながら、自らの意思で宗家を守る門官になる道を選んだという伊呂八。徳川宗家を護るため、今日も職務に励む――!!

キャラクター紹介
  • 松平 伊呂八
    (まつだいら いろは)
    一橋門・門長。しかしその正体は徳川宗家一門「一橋徳川家」の人間。
  • 有馬
    (ありま)
    一橋門・副門長。
  • 増山
    (ましやま)
    一橋門官。
  • 成瀬
    (なるせ)
    一橋門官。