帝一の國 古屋兎丸

前回までのあらすじ

ストーリー

 時は昭和——。東京都港区にある私立の中高一貫制男子高・海帝高校は数多くの政治家や官僚を生み出す超名門校として全国にその名を轟かせていた。そ して海帝高校の生徒会長になった者は、日本一の国立大学・東都大学への入学が約束され、将来政界入りを果たした際、「海帝生徒会会長会」という政界で最も 影響力を持つ派閥に入ることができるのだ。海帝中学から高校に進学した赤場帝一は、明確な意志を持っていた。それは、必ず生徒会長になること! そして、 ゆくゆくはこの国の トップ、総理大臣になり自分の国を作る! それこそが帝一の人生の目的であり野望であった…。

 時は昭和——。東京都港区にある私立の中高一貫制男子高・海帝高校は数多くの政治家や官僚を生み出す超名門校として全国にその名を轟かせていた。そ して海帝高校の生徒会長になった者は、日本一の国立大学・東都大学への入学が約束され、将来政界入りを果たした際、「海帝生徒会会長会」という政界で最も 影響力を持つ派閥に入ることができるのだ。海帝中学から高校に進学した赤場帝一は、明確な意志を持っていた。それは、必ず生徒会長になること! そして、 ゆくゆくはこの国の トップ、総理大臣になり自分の国を作る! それこそが帝一の人生の目的であり野望であった…。

 生徒会長選挙の投票終了まで残り5分。現在の情勢は帝一477票、弾478票、菊馬15票。ここからの復活が困難と悟った菊馬は二四三と共に、腐れ縁である帝一に票を投じる。これにより1票差で帝一の勝利はほぼ確定に。だが投票終了と同時に帝一が弾に票を投じ……

キャラクター紹介
  • 赤場帝一
    (あかば ていいち)
    この物語の主人公。明確な意志と野望を持ち、負けるという文字は自身の辞書にはない。二年一組のルーム長。恋人の美美子との糸電話の会話が唯一の安らぎ。
  • 榊原光明
    (さかきばら こうめい)
    帝一の中学時代からの友人で良き理解者。二年一組の副ルーム長で帝一をとても尊敬している。中学生徒会でも帝一をサポートする副会長だった。
  • 大鷹 弾
    (おおたか だん)
    二年六組のルーム長。成績優秀で人望も厚い。
  • 東郷菊馬
    (とうごう きくま)
    二年二組のルーム長。帝一に何かとつっかかる。小学校時代、同級生だった帝一を毎日いじめていた。
  • 根津二四三
    (ねづ にしぞう)
    二年二組の副ルーム長。東郷の腰巾着。共に帝一を倒すことを目標としている。
  • 白鳥美美子
    (しらとり みみこ)
    帝一の恋人。花園女子高に通うお嬢様。
  • 氷室ローランド
    (ひむろ ローランド)
    三年三組のルーム長。母親がアメリカ人のハーフ。学力、行動力、人気すべてにおいて他を卓抜しており、次期生徒会会長候補者の中で大本命だったが、森園に敗れる。
  • 堂山圭吾
    (どうやま けいご)
    帝一が一年生だった頃の海帝高校生徒会長。
  • 森園 億人
    (もりぞの おくと)
    現生徒会長。普段はおとなしく、野心も持っていないが、勝負事に関しては人が変わる。
  • 草壁 哲也
    (くさかべ てつや)
    三年五組のルーム長。大物政治家を父に持つサラブレット。リーダーとしての風格と、目的のためなら手段を選ばないという一面を持つ。
  • 美山 玉三郎
    (みやま たまさぶろう)
    二年二組の演劇部員。その演技力は次期演劇部長、確実と言われている。また、女装をさせても、その完成度は折り紙つき。
  • 本田 章太
    (ほんだしょうた)
    三年四組のルーム長。堂山のことを心から尊敬している。草壁に陥れられ、堂山の信頼を失っていた。その後、真相が明らかになったことで堂山の信頼は回復した。
  • スティーブ・レッドフォード
    氷室の父親。かつて米国車最大メーカーのハリケーン・モーターズ本社社長候補だったが、帝一の父・譲介と仕事上の利害が対立。そのせいで成果を上げられず出世コースから脱落する。
  • 赤場 譲介
    (あかば じょうすけ)
    帝一の父親。氷室の父・スティーブと仕事上の利害が対立する政策を推し進めたせいで、彼とは犬猿の仲。
  • 駒 光彦
    (こま みつひこ)
    氷室のクラスである、三年三組の副ルーム長。氷室と共に学園の頂点に立つため、何があっても彼を支えようと従っていたが…!?
  • 野々宮 裕次郎
    (ののみや ゆうじろう)
    帝一が尊敬する現職総理大臣・野々宮幸四郎の三男。総理大臣の息子にして、青春スターとして活躍する俳優でもある。一年三組のルーム長で、一年の中で圧倒的な人気を持つ。
  • 加賀 栄作
    (かが えいさく)
    一年三組の副ルーム長。裕次郎の親友にして優秀な参謀。
  • 夢島 玲
    (ゆめしま れい)
    一年一組のルーム長。女子のような可愛さで多くの熱烈なファンを持つ。中学時代、信士に想いを寄せるが気持ち悪いと拒絶され、決別してしまう。
  • 佐久間 大吾
    (さくま だいご)
    一年一組の副ルーム長。一部から熱狂的な人気の玲を守る、親衛隊長のように振る舞う。
  • 久我 信士
    (くが しんじ)
    一年二組のルーム長。海帝中学時代から有名な不良。「金髪の狂犬」と呼ばれた氷室に憧れていた。菊馬の下にいたが、彼の嘘を知り、帝一派につく。
  • 宮瀬 陣介
    (みやせ じんすけ)
    一年二組の副ルーム長。信士の不良仲間。信士と共に「海帝愚連隊」というチームを作り、多くのメンバーを抱えている。
  • 羽入 慎之助
    (はにゅう しんのすけ)
    一年四組のルーム長。千手先まで読める天才棋士。先見の明のせいで見てしまった日本の未来に危機感を抱き、官僚になろうと決意した。
  • 成田 瑠流可
    (なりた るるか)
    一年五組のルーム長。自身をルルカ・シュミットと呼称する。世界的ファッションデザイナーの息子。可愛さや美しさを信条としている。
  • 光家 吾朗
    (みついえ ごろう)
    一年五組の副ルーム長。自身をミッチェル・ボーイと呼称する。瑠流可と志を同じくしている。
  • 高天原 蒜山
    (たかまがはら ひるぜん)
    一年六組のルーム長。新興宗教「天照霊波救世教」の教祖の子。多くの信者から敬意の眼差しで見られている。