憂国のモリアーティ-The Remains- 原作/埼田要介 漫画/三好 輝

前回までのあらすじ

ストーリー

 19世紀末――。古くから根付く完全階級制度により、上流階級の人間達に支配されている「大英帝国」。生まれ落ちた時から一生涯の身分が決まるこの社会制度は、必然的に人間同士の差別を生んだ。そんな中、階級制度による悪を取り除き、理想の国を作ろうとする青年がいた。これはジェームズ・モリアーティ、或いはシャーロック・ホームズの敵の話――。


 ウィリアムの発案によって開催されたサバイバルゲーム大会。くじ引きで決められた2チームに分かれ、ペイント弾が入った銃を使い、相手を攻撃しながら相手陣地内に立てられた旗を奪取する。
 ゲームが進むにつれ、続々と出る退場者。ケヴィンは娘のヘレナにペイント弾を背後から撃つ。しかしそれは実弾だった。そこへ現れたウィリアム。アンディがこの惨状を作り上げた犯人であると話す。ケヴィンが銃を落とした時に、アンディは初めに支給された銃についている数字の札を本物の銃につけ、ペイント弾が入った銃と本物の銃をすり替えていたのだ。そしてその行為は審判役をしていたヘルダーによって監視されており、さらにこのゲーム自体アンディの悪意を証明する為に開催されたものだとウィリアムによって告げられる。アンディはヘレナの実父の失踪に関与しており、ヘレナはその事件の重要な証拠をつかんでいた。その為、「デパートの評判悪化」「ヘレナの殺害」を目的に、金で雇った強盗にデパートを襲撃させる。しかし、その計画は上手くいかず今回の暴挙に打って出たのだった。
 そこへウィリアムの合図でヘレナが現れる。撃たれたはずのヘレナは彼女に扮したフレッドだった。そしてヘレナは父が失踪した夜に聞こえてきた声が、アンディの声だったと、共感覚の能力によって確信する。アンディはヘレナの実父を攫い殺していたのだ。事件の全貌が暴かれ暴走するアンディをケヴィンが止める。万事解決と思った事件だったが、ウィリアムにはまだ何か思うことがあり…!?

キャラクター紹介
  • ウィリアム・ジェームズ・モリアーティ
    孤児であったが、字の読み書きができ博識。アルバートの実弟になりすまし、実弟の名である“ウィリアム”を名乗っている。現在は、数学教授と私立相談役を生業にしている。
  • アルバート・ジェームズ・モリアーティ
    モリアーティ家の長男。階級制度や貴族である家族をも軽蔑していた。慈善活動先の孤児院でウィリアムとルイスを養子に迎え入れた。現在は公には陸軍を退役した扱いだが、MI6の指揮官"M"。
  • ルイス・ジェームズ・モリアーティ
    ウィリアムの弟。病を患っていたが、モリアーティ家に引き取られ手術を受けて完治した。現在はモリアーティ家領地の管理や屋敷の執務をしている。
  • セバスチャン・モラン
    ウィリアムに絶対の忠誠を誓う右腕。カードの達人、狙撃の名手。音のしない銃を扱う。普段はモリアーティ家で使用人をつとめる。
  • フレッド・ポーロック
    ウィリアムの犯罪相談の窓口をつとめる。イギリス中の犯罪ネットワークに通じる情報屋。密偵や暗号解読に長ける。
  • シャーロック・ホームズ
    自称、世界でただ一人の諮問探偵。自分の興味があることだけにしかかかわろうとしない。抜群の推理力だけではなく、格闘術など身体能力にも長ける。労働者階級の訛った話し方をする。
  • ジョン・H・ワトソン
    アフガン戦争で軍医をしていたが、負傷し送還された。ホームズと221Bでルームシェアを開始する。
  • ハドソン
    ホームズとワトソンが住む221Bの家主。自分を顧みないホームズを心配している。本人曰く、永遠の17歳。
  • ジョージ・レストレード
    ロンドン警視庁・犯罪捜査部(CID)の警部。スコットランドヤードが手に余る事件をシャーロック・ホームズに依頼している。
  • マネーペニー
    元MI5所属の諜報員。現在はMI6の指揮官"M"の秘書。アフガン戦争の終結という任務でモランのサポート役となった。ウィリアムに忠誠を誓っている。
  • フォン・ヘルダー
    盲目の天才ドイツ人技師。音のしない銃を開発製造したり、作戦に必要な装備品を生み出している。MI6では兵器課長を務め、"Q"と呼ばれる。
  • マイクロフト・ホームズ
    シャーロック・ホームズの兄。情報部の長官の職にあり、アルバートの直接的な上司。シャーロック曰く「政府そのもの」。
  • ジェームズ・ボンド
    MI6、七番目の特殊工作員。アイリーン・アドラーが闇に身を潜めるための新しい名前。ファーストネームはモリアーティからジェームズを取り、ボンドは縁を意味している。
  • ジャック・レンフィールド
    モリアーティ家の後見人を務めたロックウェル伯爵家の執事。第一次アフガン戦争時代の白兵戦の達人。当時、敵味方から恐れられつけられた通り名が“切り裂きジャック”。犯罪卿の一味に加わり、モリアーティ―家の屋敷の執事になった。
  • ザック・パターソン
    ロンドン警視庁・犯罪捜査部(CID)の警部。レストレードと同期の間柄にある。MI6の内通者。更迭されたアータートンに変わりCID主任警部に昇格。
憂国のモリアーティ第一部