ジャンプSQ.若手作家が聞く「マンガの極意!」増田こうすけ 先生×左藤真大 先生

《3》新人作家、および漫画家を目指す人たちへのアドバイス

左藤:投稿を考えている人たちにアドバイスするなら、何を伝えますか?

増田:僕が言うのもおこがましいので気が引けますが、投稿される方々には一生懸命、作品を描いて欲しいと思います。その頑張りは読み手に必ず伝わります。例えばですけど、下手なりに背景まで描かれている作品には好感を持ちますね。僕も絵が下手ですけれど、世界観を出すために丁寧に描こうと心掛けています。

左藤:確かに背景が適当だと、読む時の心構えが違いますよね。

増田:本当にそう思います。あとはエキセントリックなことを、どんどんやって欲しいですね。というのも、10年前と今を比較すると、ギャグの方向性が全然変わっていないような気がしているんです。だから若い方には、もっと冒険して欲しいです。

左藤:冒険ですか…。

増田:左藤さんは冒険は苦手ですか?

左藤:苦手というより冒険の仕方が分からないんです。自分の作品を読み返すと、もっと自由にできたらと思うんですけど、結局ベタなボケとツッコミになりがちですね…。

増田:確かに人によって笑いのツボはバラバラなので、ベタに走りたくなる気持ちは分かります。ただそれでも作者の何らかの気持ちが強くこもった漫画は、人の目に留まると思うんです。今度挑戦してみて下さいね。

左藤:頑張ります!それと、今だから思う「デビュー前にこれをやっておけば良かった!」ことはありますか?

増田:もう少しノートに落書きでも良いから漫画をたくさん描いて、ペンの使い方を慣らしておけば良かったと思います。せめて2巻目くらいの絵から始めたかったと思っているので、皆さんはそうならないように(笑)。

左藤:(笑)。あともうひとつ、ギャグ漫画家として成功するには、何が必要だと思いますか?

増田:連載を獲りやすいという意味でも、良いキャラを作ることだと思います。左藤さんの作品を読ませて頂いたんですけれど、キャラ次第では連載できそうな作品だと思いました。

左藤:読んで頂けたんですね!嬉しいです!!…ちなみに連載向きのキャラとは、どのようなものでしょうか?

増田:キャラを作るのが苦手な僕が言うのも変ですが、描いている作者自身が楽しくふざけられて、なおかつ読者にも興味を持たれるようなキャラでしょうか。

左藤:動かしやすく読者に好かれるキャラ…難しそうですけど、頑張って生み出したいと思います。

増田:僕は絶対に無理なので、左藤さんに託します(笑)。

左藤:頑張ります(笑)。それでは最後に新人漫画家や、これから漫画を描いてみようとしてる人たちにメッセージをお願いします。

増田:これからギャグ漫画家としてやっていこうという人は、今が一番楽しい時だと思うので存分に楽しんで下さい!もし連載が始まって辛くなってしまったら、その頃の感覚を思い出すと良いかもしれません。またこれからギャグ漫画家を目指す人には、作者の人間性とか、執念とか怨念とか情念とか、そういうものが漫画からにじみ出たような作品を目指して下さい!想いのこもった作品待ってます!!

左藤:本日は長い時間ありがとうございました!

取材&マンガ 左藤真大
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