ジャンプSQ.若手作家が聞く「マンガの極意!」加藤和恵 先生 & 廣瀬ゆい

《1》漫画の描き方
<キャラクター作り>

廣瀬:今度はキャラクターについてお願いします。先生がキャラクターを描く上で、気をつけているところはどこですか?

加藤:『青エク』のキャラはみんな美形になるように、できるだけ意識をして描いていますね。自分の中では勝呂も子猫丸もイケメンだと思って描いています!

廣瀬:それぞれ個性はありますけど、みんな顔が整っていますよね。

加藤:そうですね。実を言うと美形よりも外道院のような、顔が立体的なキャラクターを描く方が得意というかしっくりくるんですよ。だから『青エク』の美形キャラは、自分の中でけっこう頑張って描いてます(笑)。いえ、それはそれで楽しい挑戦なんですが。

廣瀬:そんな美形の集まりでも、一切キャラクターがかぶらないのはすごいです。私の場合、美形は顔が似てしまうので…。

加藤:確かに美形は描き分けが難しいですよね…。「整っている」は言うならば、「特徴がない」とも言えますから。私の場合は、目の形を限定していないというところが良いのかもしれないです。

廣瀬:タレ目、つり目みたいなことですか?

加藤:というよりも、そもそもの目の形がバラバラと言えばいいんでしょうか。縦長の眼の形をしているキャラクターもいれば、横長の眼もいるみたいな。面白いと思った目の形に挑戦します。

廣瀬:確かに勝呂と燐の目は全然違いますね。

加藤:逆に言うと美形はそこくらいしか、変えられる要素がないような…。廣瀬さんの作風は美形ぞろいなので、大変そうですね…。

廣瀬:美形がゲシュタルト崩壊しかかります…(笑)。

加藤:(笑)。あとは視点を変えてみるのも大事ですよ。美形をいじることができないなら、その周囲のキャラクターを素朴な顔や、少し崩した造型で描いてみるんです。例えば外道院みたいなキャラクターが燐の近くにいれば、燐が美形だと思えるじゃないですか(笑)。美形の比較対象を作ることで、バランスをとるのも一つの手ですよね。

廣瀬:すごく参考になります…!確かにそれは盲点でした…!!

加藤:ただ、今言った話は、あくまで私のこだわりですから、もし廣瀬さんが「モブも含めて全員美形が良い!」と考えるならば、自分の道を信じた方が絶対に良いと思いますよ。

廣瀬:それもまたパースと同様に、「自分的に気持ちがいい部分」を探すということですね!(笑)

加藤:まさにその通りです(笑)。

取材&マンガ 廣瀬ゆい
ジャンプSQ.19に『最弱なボクと最強な彼女』掲載の期待の若手ギャグ漫画家!!