ジャンプSQ.若手作家が聞く「マンガの極意!」加藤和恵 先生 & 廣瀬ゆい

《1》漫画の描き方
<アイデアの源は?>

廣瀬:ちなみに先ほど挙げたキャラクターたちは、どのような経緯で生まれたのでしょうか?

加藤:漫画・アニメ・映画に限らず、今までの人生の中で、自分が目にしてきたものが元だと思います。全く新しいものや、0から生み出されたものは無いですね。

廣瀬:それでも先生だけが持つ個性を、私はとても感じるのですが…。

加藤:そうだとしたら、それは私のフィルターを通したキャラクターだからだと思います。基本的には「どこかで見たことがある感」、例えるなら「主人公ならこんな感じ!」「悪役ならこんな感じ!」といった一般のイメージってあるじゃないですか。それをヒントにしてつくっていて、あまり個性を気にしたことはありません。

廣瀬:秀才キャラはメガネをかけてる!みたいな感覚ということですか?

加藤:そうですね。それを自分のフィルターに通すと、きっとオリジナルのキャラクターが誕生するんじゃないかと…。

廣瀬:そういった手法から、あんなに魅力的なキャラクターが!

加藤:ただそのアウトプット作業も、自分の蓄積がないとできないことなので、色々なものを観たり、読んだり経験したりすることは大切だと思いますよ。

廣瀬:ちなみにこれは参考になるよ!みたいなものはありますか?

加藤:何か一つの作品というよりは、色々なジャンルやメディアから複合的に吸収していくことをお勧めします。というのもある一つの作品などから強く影響を受けすぎてしまうと、自分のフィルターというか、その作品色のフィルターになってしまうので、それこそただのマネみたいになってしまいますよね。自分が何が好きで何に感動するのか、常にアンテナを立てておくと良いと思います。

廣瀬:なるほど。私も色々なものをインプットして、自分なりのキャラクターを生み出せるようになりたいと思います。

取材&マンガ 廣瀬ゆい
ジャンプSQ.19に『最弱なボクと最強な彼女』掲載の期待の若手ギャグ漫画家!!