ジャンプSQ.若手作家が聞く「マンガの極意!」地獄のミサワ 先生 & 左藤真大 先生

《3》発想の元は「カッコいい人」!

左藤:ミサワ先生はご自身の作品で、特に気に入っているものはありますか?

ミサワ:描いたばっかりの作品は恥ずかしいので読み返さないのですが、古いものを読むと「面白いなぁ」となります。なので全部面白いです。

左藤:ブログは毎日描かれていますが、その都度ネタを探すのですか?

ミサワ:少なくとも、そのためにTVを見たり本を読んだりはしないかも。強いて言うならキムタク(木村拓哉)のエッセイ(『開放区』等)ですね。自分の中には「キムタクがこの世で一番カッコいい」という感覚があって、それを基準にネタを考えている部分があるのかも。

左藤:なるほど。自分の中に基準を持つとネタが生まれやすいのですね。

ミサワ:そうですね…いや、どうだろう。あと手塚・赤塚賞の華やかなパーティーで、尾田栄一郎先生がサンダルで出席されていたのを見て、その飾らなさがすごくカッコよく映ったんです。だから僕もこの前の新年会、クロックスで行きました。

左藤:つまりミサワ先生の場合、映画や本などの「作品」ではなく、人のスタンスや言動に刺激を受けるのですね。

ミサワ:そうですね。どちらかと言えば。

左藤:では漫画の参考に限らず、趣味はありますか?

ミサワ:インターネットですかね。よくもめ事とかを追いかけてます。

左藤:普段から人の言動に面白さを探しているんですね。

ミサワ:そうですね…いや、どうだろう。ただ、見方次第でこの世には面白いものがたくさんあると思うんですよ。それは良い悪いじゃなくて。

左藤:何かを馬鹿にするのではなく、ポジティブに面白さを探すような感じですか?

ミサワ:そうですね。それに「馬鹿にする」という見方も、僕は必ずしも悪いとは感じないんですよ。というのは、人と人の仲が良い時って、お互いに尊敬する部分と馬鹿にする部分が共存している時だと思うんです。尊敬ばかりだと親しくなれない。それに人間には必ず駄目な部分があり、そこを「コイツ馬鹿だなぁ~」と感じてこそ、相手をきちんと見られているのだと思うんです。

取材&マンガ 左藤真大
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