ジャンプSQ.若手作家が聞く「マンガの極意!」浅田弘幸 先生 & 濱岡幸真 先生

《3》見栄えのする構図のコツ

濱岡 そうやって何十回も考えることで、浅田先生のあのカッコいい構図が生まれてくるのでしょうか?

浅田 出てくる…といいですね(笑)。出てこない時もあるし、適当に描いた時の方がいいものになった場合もあるし。その時々のこだわりなので、こればかりは仕方ないですね。コマの構図は作画の段階で考えますが、シーンによってはネームから決まっている場合も多いですね。

濱岡 私はカッコいい構図を考えることが苦手で、気が付くとキャラのアップばかりになってしまいがちなのですが、いい方法はありませんか?

浅田 皆さんもやっていると思いますが、まず見開きを一つの絵として捉え、1枚に1つ見せゴマを入れてテンポを良くします。あとは誰しも、「自分の好きな構図」があるじゃないですか。それをメインに据えるんです。「キメはやっぱりこの角度だよね!」という感じで。もっとも、同じ構図を使い過ぎると飽きちゃうから、また苦労して次のキメの構図を探す…その繰り返しでしょうね。あと、忙しくなっても得意な構図ばかりになるので、そうならないように気を付けています。

濱岡 良い構図を思いつくためのコツはありますか?

浅田 「もっと自由に描きたい」と思った時は、コマの外側までパースを全部引いて、シーンの全体像を大きい紙に描いて検証します。そして実際の原稿で使う部分を拡大して、それを原稿を描く際のアタリにするんです。

濱岡 確かに、全体像を描いてみると、頭の中でカメラを回すより分かりやすいですね。…ちなみに作画に限らず、執筆で詰まったり、前に進めない時はどうされますか?

浅田 風呂に入ったらいいと思います(笑)。血流がよくなって何か浮かぶはず。僕も詰まると風呂に行きますね。

取材&マンガ 濱岡幸真
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