ジャンプSQ.若手作家が聞く「マンガの極意!」助野嘉昭 先生 & 仲英俊 先生

《6》漫画家・助野嘉昭の苦労と喜び!

仲:今まで漫画家をやってきて、辛かったことと嬉しかったことを教えて下さい。

助野:辛かったのは最初に言った、ネームの直し過ぎでノイローゼになったこと(笑)。あと漫画家になってからは「牡丹編」の辺りですね。というか、君も知っているでしょ!

仲:はい。やっぱり元アシスタントがインタビュアーって、時々無理が出ますね(笑)。

助野:あと辛かったのは『陰陽師』が思いつく前、描きたいことが具体的になかった時かなぁ。新作のビジョンが何もなく「好きなものを描いて欲しい」と言われて…。それは編集部の厚意だけれど、自由過ぎると逆に辛い時もある。むしろ「こういった役割を果たして欲しい」と期待される方が分かりやすい。僕の場合、お題があって、それをどこまで面白いものにできるか考える方が描きやすいかも。

仲:お題という縛りがあると、制約の中で面白いものを考える力にもなりそうですね。

助野:嬉しかったのは…一番はやっぱり『貧乏神』で連載を獲ったこと。というか「通らなかったら今の力では漫画家にはなれない!」という覚悟があったので、ほっとしたという感じかも。アニメ化もすごい嬉しかったけれど、喜ぶタイミングを逸したというか…。だってアニメ化の話って、編集長に書類渡されて淡々と報告されただけだし(笑)。もっとこう「やったね!おめでとう!!」的なものがあるものかと。あとは賞を獲ったこと、一番最初にファンレターをもらったこと、そして『貧乏神』を理想通りの形で終わらせたこと!

取材&マンガ 仲英俊
『かなの一筆』『妹ひえらるきあ』でSQ.19掲載の俊英…!