ジャンプSQ.若手作家が聞く「マンガの極意!」大場つぐみ 先生 & 群千キリ 先生

《1》必見!大場つぐみ流ネーム作り!!

群千キリ(以下、群千)大場つぐみ先生に取材ということで、とても緊張しておりますが本日はよろしくお願いします! 

大場つぐみ(以下、大場) こちらこそ、本日は宜しくお願いします!

群千 早速ですが大場先生は普段どうやってネームを作っていらっしゃいますか?

大場 まず始めに頭の中で物語の展開を考えます。週刊連載の場合だと日数にして3~4日くらいでしょうか。そこで固めた内容を、2日程度で清書してネームに起こしてひとまず完成です。できたネームは担当さん、作画の小畑健先生が見ます。全員で修正を重ね最終的に原稿になるという形です。ただ、まだ月刊の作業に慣れていないこともあって、『プラチナエンド』ではなかなかスケジュールは守れていません…(笑)。本当は半月程度でネームを完成させるのが理想です…。

群千 物語の展開を考える際、メモなどはとらないのですか?設定ノートなどを持っている先生もいるとお聞きしますが…。

大場 面倒くさがり屋なのでやらないです。作品の設定を文字に起こすこともあんまり。たまに、キャラに言わせたいセリフが浮かんだ時は、忘れないようメモをとりますが、それ以外で紙に残すことは滅多にないです…。

群千 す、凄いです…。いきなりネームを作られるのですね!!

大場 ああ、誤解です!凄いわけではないんですよ!!私はいつもA4紙を半分に折って、それを2ページ分のネームとして描くのですが、この方法だと後からでも2ページずつネームを足せるんですね。だから前もって全体構成をメモする必要がないんです。

群千 独自のスタイルを確立されているのですね。ちなみに、ネーム執筆時に気をつけていることはありますか?

大場 A4紙1枚で、つまり見開き2ページで話のキリが良くなるよう配慮しています。そうすると話も足しやすいので。それと、セリフはできるだけ簡潔に。今の『プラチナエンド』では、何回もセリフを削っています。担当さんに見てもらってひと削り、それから小畑先生の下描きを見てもうひと削り。最後、原稿が上がったタイミングで、時間的に余裕がある場合は3回目のセリフ削りをします。

群千 最初から完成型があるのではなく、徐々に仕上がっていくイメージでしょうか。セリフ以外でこだわりはありますか?

大場 コマのメリハリと間は大切にしています。インパクトを出していきたいコマはできるだけ大ゴマにするとか。あと、私の場合は気を抜くと、つい話を詰め込みすぎてしまうんです。意識的に「間」を取り込むようにしています。『DEATH NOTE』と『バクマン。』の時は、本当に間がなかったですよね。それに入れる時も、酷い話ですけれどネームには「このコマ、間が入る」としか書かれていなかったり…。演出は小畑先生に全てを任せているようなものです…(笑)。

群千 そういった場合、どんな絵が上がってくるのですか?

大場 空や町並みとかの綺麗な絵だったりキャラのアップの表情だったりが描かれて、雰囲気が更に高まっています。凄いですよね。小畑先生には本当に有難いという気持ちしかありません。こういった演出に限らず、小畑先生や担当さんと協力しながら、これまで作ってきました。