ジャンプSQ.若手作家が聞く「マンガの極意!」大場つぐみ 先生 & 群千キリ 先生

《6》原作者として…

群千 新人が今のうちに、原作者として学んでおくべきことはありますか?

大場 自分の武器が何かを知っておいた方が良いんでしょうね。私は担当さんに「中二っぽさが良い」と言われて、それでもっと中二っぽくしようって(笑)。そのルーツを考えると、自分自身が理屈っぽいものが好きだからかな、と。『DEATH NOTE』でも、第2話で月(ライト)が「悪い人を殺していいか?」語るワンシーンが気に入っていて、理屈で以て読者の方に「ちょっとその考え方は正しいかも?」って思わせるようなものが好きです。

群千 その理屈っぽさが結果として、年齢の高い読者層に支持されているようです。

大場 あくまで印象ですけど。だから子供っぽいものを描かないようにしようとは思っています。それと今の流行作などを見ると、少し難しめな話の方が食いついてくれるのかな?程度の感覚は持っていますね。ただ、言うほど読者層は意識していません。自分の「良い、面白い」と思ったものが、たまたま年齢層の高い方々に受けたという感じです。

群千 原作の仕事で嬉しかったことはなんですか?

大場 自分の原作が、漫画の原稿にちゃんとなることです。小畑先生をはじめ、作画をして頂くと、いつも予想していた以上なんです!それにすごい原稿が上がれば上がるほど、私もやる気が出ます。ただ、同時にプレッシャーもあるので辛くもありますが(笑)。新人の皆さんの間では、他の方への意識みたいなものはありますか?

群千 確かに私も他の方が頑張っている姿を見ると、自分も頑張らなきゃ…と思います。

大場 私も自分以外の作家さんには、尊敬の念しかないです。『めだかボックス』や『戯言シリーズ』を書かれた西尾維新先生ともノベライズなどでご縁がありましたが、天才だと思いました。到底かなわないと思って、比べたことすらありません。

群千 「自分は自分」という考え方でしょうか?

大場 そうですね。自分にできることをやるだけ。周りを見ることもありますけど、「自分ができるかどうか」はまた別の話なんです。結局、自分のできることを粛々と頑張るしかないんです…。