ジャンプSQ.若手作家が聞く「マンガの極意!」小畑 健 先生 & 群千キリ 先生

《7》切り貼りによるデジタル原稿!?

群千 小畑先生が執筆にデジタルを使い始めたのはいつ頃ですか?

小畑 「週刊ヤングジャンプ」の『All You Need Is Kill』(原作・桜坂洋/構成・竹内良輔/キャラクター原案・安倍吉俊)からですね。…実は『ヒカルの碁』(原作・ほったゆみ)の1話のカラーもデジタルを使っていたんですが。

群千 デジタルを取り入れた理由はありますか?

小畑 他の作家さんが皆やっていて、羨ましくて(笑)。でも完全に使いこなせていないので、今はアナログと組み合わせています。

群千 『プラチナエンド』の生原稿を見させて頂きましたが、人物もコマ枠もアナログ原稿で、天使の羽根、矢、効果など、部分部分にデジタルで描かれたものが貼られていますよね?

小畑 自分のこの使い方って、結構特殊な作り方らしくて…。簡単に言うと、羽根とか矢とかデジタルに向いたものはデジタルで描き、出力してスクリーントーンみたいにアナログ原稿に貼り込んでいるんです。この作業は工作しているみたいで楽しく、自分に合っているみたいです。「このデジタル背景を、どう切り抜いたら原稿にうまく貼りこめるか」とか。すでに漫画に関係ない、職人作業みたいになっています(笑)。

群千 アナログ原稿をPCに取り込んで仕上げる、一般的なデジタル原稿と真逆なんですね!これって…衝撃ですよ!?

小畑 恐らく今後はデジタルの割合が増えていくと思いますが、フルデジタルにはならないと思います。手作業というか、やっぱり紙が好きなんですよ。