ジャンプSQ.若手作家が聞く「マンガの極意!」小畑 健 先生 & 群千キリ 先生

《8》学生時代、新人時代の練習方法

群千 小畑先生はデビュー前、どのように絵を練習されていましたか?

小畑 中学の頃から漫画家になることを意識していたので、色んな絵を描いてきました。友達に頼まれたものを何でも。車とかバイクとか、リアルなシルベスター・スタローンを点描で描いたりして(笑)。「今回は水墨画でカリオストロの城を描こう」とか、自分でテーマを決めたりしていましたね。

群千 ではデビュー後、新人の頃はいかがでしたか?

小畑 自分はアシスタントをしていましたが、それだけで充分な練習になっていたと思います。

群千 そこで一番実になったものは何ですか?

小畑 仕事場の空気って、周りが本気で取り組んでいる人ばかりだから、まずやる気が出るんですよね。漫画は大変な作業で、孤独になると描かなくなってしまう。そんな時にアシスタントに行くと気持ちが上がるので、その勢いを家に持ち帰ってネームを描いていました。

群千 小畑先生が新人の頃に苦労したことは何ですか?

小畑 連載全部です(笑)。最初の連載を終えた後「もう週刊は無理!」と思いました。週刊ペースで話を作るのに苦労して、そのせいで好きな絵すらも満足に描けなくて。ちょっと自分には向いていなかったと、モヤモヤしながら続けていました。それから大分後『ヒカルの碁』でネーム原作をもらうことになり、絵に集中することができたんです。「漫画を作るというのは、編集さんやアシスタントさんや、色んな人が必要。自分はそのチームの一員であればいい」と考え方を変えた時、道が開けたような気がしましたね。