ジャンプSQ.若手作家が聞く「マンガの極意!」矢吹健太朗 先生 & 御木本かなみ 先生

《8》仕上げのホワイトが矢吹絵の要!

御木本:矢吹先生の執筆全体のスケジュールを教えて下さい。

矢吹:最初に話を考えて、長谷見さんと打ち合わせをして脚本を発注。そして上がった脚本を元に再度打ち合わせをして調整して…大体いつも5稿くらいで決定稿となります。そこからネームに1~3日かけますが、最近は余裕がないので、他人には文字すら判読できないネームになりつつあります(笑)。そこから原稿作業が14日間くらいでしょうか。

御木本:矢吹先生は、執筆のどの作業に一番比重を置かれていますか?

矢吹:気持ち的な部分も大きいですが、特に仕上げのホワイト作業が重要で、やっていて楽しいです。自分にとってホワイトは修正ではなく絵を作る作業で、髪の毛に艶を出したり目の光を飛ばしたり、やればやるほど完成度が高まるので好きですね。

御木本:逆に一番苦手な作業はありますか?

矢吹:工程というよりは特定の絵ですね。立ち位置を説明する集合シーンが、テンションが上がりにくくて苦手かも。例えば大勢で食卓を囲む絵とか、どこかに勢揃いしている大ゴマとか…。読者にキャラの立ち位置を説明する重要な絵なんですけどね。

取材&マンガ 仲英俊
『かなの一筆』『妹ひえらるきあ』でSQ.19掲載の俊英…!