新人漫画賞SPARK 23年3月期 結果発表

新人漫画賞 SPARK 結果発表

RISE新人漫画賞 結果発表

高いドラマ性でデビュー獲得!!佳作1本&審査員特別賞1本&編集部特別賞1本出る!!
[総評]加藤先生

今回は久しぶりに新人さんらしい拙さが残る作品が多かった印象です。全体的に単純なネームの練り込み不足で作品の完成度を落としてしまっているなと感じたんですが、これは克服できる要素だと思います。自分の世界を、全く興味のない読者に理解してもらうために出来る努力はしていきましょう!応援しています! !

[総評]ジャンプSQ.編集部

若い最終候補者が多く残った今回は、どの作品にも将来性を感じる一方で、課題となる要素も明確にあった。その中でも、画力に課題が残るものの、ドラマをしっかりと作る能力が高く評価された『バイバイ27』が佳作受賞となった。今回デビューに至らなかった皆には課題を「伸びしろ」と捉えて次の作品に臨んでもらいたい。

月間TOP 佳作 賞金30万円
バイバイ2750P
高田 透24歳 福岡
あらすじ
元ミュージシャン志望の三住は、優れたアーティストたちが27歳で亡くなっているジンクスになぞらえて自らも27歳で命を絶とうとしていた。死に方を求めて辿り着いたサイト「バイバイセンター」に電話をするとすぐに安倍晴明を名乗る男が現れる。阿部によるとそれは自殺志願者の人生を他者に売り渡すサービスらしく?
GOOD POINT
主人公が死のうとするところから始まるので、暗くて辛い話を想像したが、いい意味で予想外に優しく前向きな結末に向かっていくが良かった。展開の都合が良すぎたり、システムに穴はあるものの、丁寧にドラマを紡げているところに作者の力量を感じた。
NEXT STEP
画力不足は直近の課題なので、まずはたくさん描いて描きなれていってほしい。「バイバイセンター」の設定に無理があったり、主人公がそこにアクセスしたのが偶然でしかなかったりという部分がまだ粗いので、次作はより練ったストーリーを考えてほしい。
加藤先生からのコメント

ドラマの肝であるバイバイセンセンターのシステムがツッコミが追いつかないレベルで破綻していて全くお話に入り込めませんでした。画力はまだ大分拙いですが雰囲気がありますし、バイバイセンターにアクセスするまでのくだりはネット上の都市伝説的なワクワク感がありました。ドラマでやりたいことも判るのですが…。自分で設定したシステムをちゃんと理解せずに描いている気がします。

審査員特別賞 賞金20万円
母のあと55P
睡依カイ21歳 大阪
あらすじ
人間に追い詰められた魔物の母子。負傷した母は娘だけでも逃がすために巨大な狼に姿を変え人間に襲い掛かる。別れ際、母は娘に十数年後に再会するための手順を授ける。
GOOD POINT
コマ割りや構図に気を使っていて、雪の中を駆けるシーンの疾走感や、恐ろしい狼の描写など、大ゴマを使ってシーン単位で読者の印象に残すことができる演出力があった。
NEXT STEP
かなり断片的にシーンを繋いでいるので、魔物の設定や母子が転生するストーリーが十分に伝わるようにはなっていなかった。考えていることは面白そうなのでそれが伝わるための工夫を。
加藤先生からのコメント

ミスリードされる展開が面白かったです。前半から中盤までのダイナミックなコマ割りも惹きこまれました。出来たら最後のあたりもたっぷりコマを使って人狼(?)の世代交代のシステムが読み手に伝わるようにオチにもホラーな余韻が残るように描いてほしかったです。画力に関してはまだかなり頑張らないといけないです。雑すぎるので見せ場だけでもじっくり描くクセをつけましょう。

編集部特別賞 賞金15万円
仮面32P
はるおみ19歳 宮城
あらすじ
幼馴染のるまにテストの点数で勝てないことに劣等感を抱える空翼は「夜の美術室に行けば白い男によって理想の自分に変えてもらえる」という噂を頼りに美術室を訪れる。
GOOD POINT
メリハリのある絵柄でキャラクターの魅力を表現できていた。また、ホラーのような題材でありながら、最後は二人の友情の物語として上手くハッピーエンドにまとめていた。
NEXT STEP
主人公が抱える劣等感について十分に分からないまま話が進んでしまうので、それが伝わるような描写にページを割いてほしかった。伏線も上手く機能していないので構成を見直して。
加藤先生からのコメント

画力は低くないです。特に大ゴマの顔アップがカッコよくて説得力があります。ストーリーもまとまっていて、アイデアも悪くなかったと思いましたが、不思議と一つ一つのエピソードが滑るような軽い感触で読み終わってしまったのが気になりました。単純な好みかもしれませんが、空翼(読めない)ちゃんとるまちゃんの間でのエピソード不足や、仮面の先生のキャラの作り込みの甘さ…かもしれないと感じています。

最終候補 賞金10万円
ジーニアス&バッドヘッド42P
凪田龍司19歳 愛知
あらすじ
とある女性の兄の行方不明事件。現場に残された巨大な穴から魔人の仕業だと推測した警察は、魔人事件専門の捜査員・ジーニアスとバッドヘッドを捜査に担当させるが?
GOOD POINT
真逆の性質を持つ二人の主人公キャラクターを上手く使い、それぞれの能力や言動によってストーリーを進められているのが良かった。設定にもオリジナリティがあった。
NEXT STEP
せっかくのバトル描写があっさりしてしまっているので、迫力を出したいシーンはもっと大胆にコマを使ってほしい。魔人から魔法を作るのも面白い設定なので、それも絵で表現してほしかった。
加藤先生からのコメント

キャラやアイデアがよかったです。画力はまだまだブラッシュアップが必要かと思いますが、丁寧に描き込まれているので描き続ければ上手くなれると思います。ストーリーはやはり「天才」を名乗るならこのマンガの中だけの理論でいいのでもう少しロジカルな説得力が欲しかったです。この設定なら個人的には二人のキャラは中身と外見を反対にした上でもっと練りこんだら面白くなる気がしました。

最終候補 賞金10万円
冷徹な御曹司とAIメイド36P
三日月レイ24歳 福岡
あらすじ
大手企業の跡継ぎであるロベルトの前に現れたAIメイドのミラ。笑わなくなってしまったロベルトに喜びの感情を取り戻すために、あらゆる機能を使いロベルトに尽くすが?
GOOD POINT
画力が高く、背景まで丁寧に描けていた。また、ヒロインのミラが表情まで魅力的に描けていたのが好印象。狙いがはっきりとしていて企画としての分かりやすさがあった。
NEXT STEP
後半のバトル展開は伏線の張り方がやや強引な上に、AIの戦闘のアイデア不足によって盛り上がりに欠けてしまった印象。前半のようなコメディ展開だけに集中してまとめてほしかった。
加藤先生からのコメント

即戦力並みの画力で特にメイドさんの緻密な描写は素晴らしかったですが、ロングカットやアクションシーンなどはやや頼りなく、画力にムラがあります。ストーリーも、メイドと御曹司が仲良くなっていく重要な過程が端折られていたり、敵役が咬ませ犬すぎたり、都合がよすぎるように感じてしまいました。最後のメイドさんのセリフはよかったので、このセリフがもっとグッとくる物語で読んでみたかったです。

最終候補まであと一歩 賞金1万円
俺の幼馴染は悪霊にも推されています24P
三日月レイ24歳 福岡
GOOD POINT
最終候補作と同様、ヒロインの可愛さを中心にした企画として上手くキャラクターの魅力を描けていた。また、冒頭でキャッチ―な掴みを入れて読者の興味をひくことができていた。
NEXT STEP
冒頭の掴みで期待したようには「悪霊に推されている」という設定が上手く使えてはいなかったのでその先にアイデアがあると良かった。展開もテンプレすぎるのでひと捻りほしい。
最終候補まであと一歩 賞金1万円
善と罪と輪のない天使24P
苗字名前29歳 東京
GOOD POINT
独自のデザインセンスで描かれたキャラや絵柄によって、他の漫画にはない画面を確立できていた。画力自体も低くなく、よく考えられた設定のバトルを絵でしっかり表現できていた。
NEXT STEP
この作品に固有の用語や設定が冒頭から多く、読者が処理しなければいけない情報量が多すぎる印象。コマ割りも工夫し、セリフ量もやや抑えることで読み易さに繋げていってほしい。