思い切り良く時間を経過させ展開させつつも読ませるキャラの魅力を作り出せる力は見事。キャラの心情がしっかりと伝わってくる絵柄、表情の多彩さもGOOD!ただせっかくの大ゴマが何をやっているのかわかりにくく、ここをしっかり描ければもっと棚橋さんの想いが読者に伝わると思います。

主人公ニルミーナのキャラとしての魅力が分かる日常のエピソードなどを入れる事で、周りの人たちとの関りや人間性がもっと見えてくると思います。砂を操る魔道具も、せっかくなら読者の予想できない使い方であっと言わせられるよう工夫してみると良いですね。

キャラクターをしっかり描くことで魅力的な作品になっていました。ただ回想やページをめくってから読者がしっかりと着地しにくい作りになっているのが非常に残念。もっと構成をわかりやすく整理すればもっと良くなります。作者が思っている1/10しか伝わらないと思って作ってみて下さい。

何てものを読まされるんだ…と思いながらもテンポよく繰り広げられるバカバカしさに最後まで面白く、構成力もしっかりしていて楽しく読めました。台詞のチョイスや、間の使いかたが良かったです。

独特な雰囲気を持った作品。グサヴェルくんと一緒で何がこの後起こるのかなと思わせるのはまんがにとって大変重要です。水越さんには読者にこんな作品を読んで貰いたいというメッセージがあり巧くまとめていました。しかし画力がまだ足りず、表現したい事をより伝えるためには画力UPは必須です。次回作が楽しみです。