RISE新人漫画賞 22年1月期 結果発表

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クラウン新人漫画賞

渾身の力作が集う!佳作1本＆審査員特別賞1本＆編集部特別賞2本出る!!

新鋭作家による意欲作５本が最終候補に残った１月期RISE新人漫画賞!その内１作品が佳作を受賞し、見事にデビューを決めた!

審査員
審査員 総評 キャラクターの存在感を描けている作品が面白いと再認識しました。今や設定や世界観の説明は必要なく、キャラクターの存在感、キャラ同士の掛け合いで面白いが多い。キャラが架け橋となって作者の独自の世界を読者と共有させる型を作りあげている。キャラの存在意義にはそんな側面もあると思います。

月間TOP佳作　賞金30万円

Crépuscule　54P
桃生灰祥　27／東京

あらすじ嵐の夜、シオンが辿りついたのは「クレピュスキュール」という謎のホテルだった。甲斐甲斐しく世話を焼こうとする給仕のモーリスに宿泊を勧められ、仕方なく一泊することになったシオンだったが…。

審査員のアドバイスシリーズの一話として読める作りになっている。特にストーリーはないがネームが上手く、見せ方を心得ている。この先の展開も期待できそうなので、面白く描いていける実力はあると思う。

編集部のコメント画力、演出力共にレベルが高い。ホテル×ファンタジーとして破綻せず、モーリスのキャラに集中して読める。後半に設定を詰め込んだページ分、主人公の境遇に共感できる描写にあててほしかった。

審査員特別賞　賞金20万円

ポーション日和　28P
涼　24／兵庫

あらすじ魔法高校に入学したばかりの桜井ヒナは部活探しの途中で「魔法薬部」を訪れた。摩訶不思議なポーションと美人な先輩に惹かれて、彼女も入部を決意するが…!?

審査員のアドバイスストーリーは特になし。設定も何の説明もないが、キャラの掛け合いが楽しいので、ずっと読んでいたくなる。短いページ数で全キャラをフワッと好きにさせるセンスがある。ラストも良かった。

編集部のコメントコメディ作品として整理されていて読みやすい。女性キャラをたくさん作りたいという意思を感じるが、まだ魅力を伝えきれていない印象。展開の中でキャラの何を描きたいのか整えていってほしい。

編集部特別賞　賞金15万円

Dear Her　55P
井上夏樹　20／横浜

あらすじ青木は自分が書いた小説を同級生の赤瀬に見られたことをキッカケに、二人で映画を撮り始めた。それは幸せな時間だったが…。

審査員のアドバイス創作者なら分かる不安定な心情や散りばめられたセリフを徐々に繋げ、物語を結実させていく様は良くまとめていると言える。メッセージの余韻もしっかり描けている。オリジナリティーがあれば良いですが。

編集部のコメント既存作品の影響が強く現れているが、正確に物語を読み取り、自身で再度構成する力を感じる。基礎力を鍛えつつ個性に期待。

編集部特別賞　賞金15万円

豊穣の飢餓　40P
柾狩可告　25／兵庫

あらすじ貴乃の幼馴染の文慈は中二の夏頃から女装をするようになった。文慈の趣味に理解を示す貴乃。しかしそんな二人を事件が襲う。

審査員のアドバイステーマ性があり、借り物ではないリアルなセリフでひきつけられるが、分かりづらい表現や言い回しが多く、どう感受すればよいか、難しく感じるところが多々あった。

編集部のコメント粗さを感じる絵柄だが、ところどころ良い表情が描けている。ひとつひとつのシーンが印象的な一方、繋ぎ方や全体構成が散らばっているので読みやすさを意識しよう。

最終候補　賞金10万円

祝福の絵筆　43P
花持ことは　22／東京

あらすじ国王の命令で画家が全員処刑された国。絵を描くのが好きだったアリアは、父が処刑されたことで芸術から距離を置く。

審査員のアドバイス絵も世界を構成する要素も良いのだが、全体的に表面をなぞっただけの印象。主人公二人の絆の部分にもの足りなさがあるので、そこを描ければ読者の気持ちも乗れるし、読み応えも出ると思う。

編集部のコメント現実味のない設定だが、しっかりと設定を回収していた。キャラの細やかな感情とリアリティを持たせられるかが課題。

最終候補まであと一歩の作品

  • 大江戸乙女物語　35P 宮川亜希子　21
    軽快に読めるコメディ。キャラに共感性を持たせつつ絵柄を今風にしよう。
  • 誰が為に　48P 今宵良月　25
    読みやすい作品だった。軸となるテーマを展開の中で十分に描いてほしい。
  • 探偵よ信じろ　55P 朝倉大志　17
    驚きの展開を入れていたのは良い。課題をもってレベルアップしていこう。
  • 真夜中のロストチャイルド　33P 香山茜師　23
    企画意図を感じられたが導入で興味を持てるよう展開できると良かった。
  • 八年退職　32P 輿水ひかる　29
    独特なテンションの個性的な作品。終始勢いだけだったのが惜しかった。