画力優。キャラデザのセンスがひたすら良かったのでカラーも是非見てみたいです。カメラアングルも凄く凝っておられますが、そのせいで見にくかったりキャラの立ち位置が分かりにくくなることもなく。流行や時代のギミックを取り入れつつも、装飾で終わらず、その世界で生きているキャラ達がちゃんと描けてるなぁ、と。アイディアをご自身なりに転用させる技術は素晴らしいです、更にオリジナリティの強い舞台が作れたらもっといいですね!

間違いなく今回のトップ賞です! !（僕の! !）2ページ目から最後までずっと笑っておりました。なんかこうエンターテイメントなんていう言葉では括れない、テンポと爆発力とギャグと予想外の展開の連続で、わひたすら脱帽しておりました。最後もこれで終わるのかな？と思いきや、この作品（作者？）「らしさ」をぶちかまして嵐のように去っていく。画力は勿論課題でしょうが、一朝一夕では身に付かなさそうな構図や漫画的演出が余りあると思います。映画化希望です。

自身の世界に引き込む力が素晴らしいです。キャラクター（主人公）が見ているものと読者が見ているものがマッチしている感覚。限られたページ数で色んな感情を表現しつつも一本芯が通っています。一点、「どこの教室でもよかってわけじゃない」で児玉くんがクラスメイトと戯れている描写などあるとより「ここじゃないとダメ」感が強く表現出来たのかもな、と思います。終わり方も素敵で、良い映画を一本観終わったような感覚でした。

設定やアイディアが凄く良かったです!ストーリー展開のテンポもよく、情報量の多さに関わらず違和感なく読み進められました。ルシファーの喋りやリアクションがずっと面白かったです。きっと後半パワーアップしてカッコよくなるだろうなとも思ってはおりましたが、デザインも予想に反していたので良きでした!構成力もとても良かったので展開そのものに予想外性を持たせる意識をされると更にいいですね。

ディズニー映画などが顕著だと思うのですが、全体的に作品の持つ世界観を演出できれば良かったかなぁ？という印象です。終始、主人公と同じく「ナーガかぁ」という感想が最後の方まで引っ張られたカンジ。もっと小物や、擬音のデザイン、ヒロインがそういう国の写真や映像を見るとシンパシーを感じるとか。鱗の量が全身まで広がっていよいよこのままじゃやばい焦りとか。もっと作品に入り込めるギミックや演出があれば読み味も変わったかも、と。

説明不足な感が否めず、置いてけぼりな印象が少々強め。読者が今「何を思い、何を理解していないか」をもっともっと追求･研究する必要があるかと思います。要所要所で「？」となってしまうのはとてもマイナス。最後まで読めば疑問点は解消されますが、読者は「途中で読むのをやめる権利」を持っているとご承知下さい。なるべく説明がいりそうな設定は早い段階で潰しておくが吉です。

全体的にレベルが高いです!絵柄も作品全体の雰囲気が出ており、アップとロング、描き込む箇所と抜く箇所のバランスもとてもいいです。キャラクターに疑問を持たせたり、伏線や謎が散りばめられていたりして先の展開に対する期待感も高くて素晴らしかったです。基礎レベルは完璧なので、中編～連載の意識も今後強く持っていけると良いと思います。短編の「良い話」では終わらない難しさを追求するのは楽しかったり苦しかったり。