リニューアル第2回となる今回もなんと5本も受賞作が出る大豊作回となった! 『プラチナエンド』のお二人のアドバイスも必読だ!
あらすじ 家や信号などの人工物に擬態して、人を襲う擬害虫が跋扈する東京。擬害対策課に勤務する朝霧武は訓練の成績こそ優秀なものの、気の弱さから実戦では力を発揮できずにいた。はたして武は活躍できるのか…!?
審査員のアドバイス 絵のレベルは高いです。ただ主人公の成長過程が弱く、コミカルとシリアス部分のバランスが惜しい。〈大場〉設定が斬新。アクションだけでもっていける描写力があります。キャラクターのエピソードを無理にメインにせずに、パンデミック物に振り切った方が個人的には良い気がします。〈小畑〉
編集部のコメント 擬態する虫のアイデアが面白く、楽しく読めた。絵は丁寧で画力も高いが、キャラクターの絵をもう少しデフォルメして印象的にできるとなおよい。他方で、話は要所を抑えられてはいるものの、ページ数の割に内容が薄く、特にピンチに陥った主人公が回想だけで勇気を取り戻すという展開は残念だった。最も大事な成長部分なのだから、何かしら、エピソードや出来事を通じて見せてほしかった。
あらすじ 女子高生の岩槻には秘密があった。それは心拍数が100を超えると巨人化してしまうという特異体質の持ち主だということ。そんな彼女が、あるとき同級生の彰真に恋をしてしまい、胸のドキドキを抑えきれなくなって…!?
審査員のアドバイス 単縦な設定で読み易いですが、その分オリジナリティーがもっと感じられるとよかったと思います。〈大場〉突っ走っている感があって、笑えるが、もっと突き抜ける何かを期待したいです。〈小畑〉
編集部のコメント 良い意味ではちゃめちゃで勢いのある作品。中心となる二人の感情をしっかり追えているし、ポイントを抑えた演出もよかった。ヒロインもかわいくてキャラクター作りへの意識も見られる。とはいえ、アクションシーンが見づらかったり、敵の目的が見えなかったりと気になる点も多い。絵は独特ではあるが、画力はまだまだ要向上。この勢いを維持したまま、どんどん描いていってほしい。
あらすじ 死後の魂がまれに行き着く妖怪の世界。役所につとめる美巴子は、三途の川を警備している少年・レイに出会う。彼には何やら秘密があるようで!?
審査員のアドバイス キャラとセリフが必要以上に多く分かりづらいです。絵は上手いですが話はラストに盛り上がりが欲しかったです。〈大場〉全体的に説明的。読者が次のページを見たくなるように想像を膨らませる描き方を目指しましょう〈小畑〉
編集部のコメント 絵柄やデザインに少々古さを感じるものの、画力が非常に高い。内容はキャラや設定、エピソードが詰め込まれすぎているので取捨選択を。
あらすじ 酒井さんは毎日久保さんに話しかける。久保さんはそっけないけど、実は酒井さんのことが大好き。逆に酒井さんは久保さんのことが実は嫌い…!?
審査員のアドバイス 分かり易いですが内容が限定的かと。もっと広い読者を意識して欲しいです。〈大場〉際どいキャラを武器にできる上手さがあります。刺激的な話作りをかわいく着地させている毒のある作風が良いです。〈小畑〉
編集部のコメント 独特のセンスがある。二人のキャラクターがかわいく、掛け合いも面白い。ただ、二人が告白し合うきっかけはもう少し練ってほしかった。
あらすじ 郵便配達員の藤森がヤクザの事務所に届けた配達物には人間の肉片が入っていたーー!!ヤクザの朱月とともに犯人を捜すことになった藤森だが…!?
審査員のアドバイス 絵が上手いですが話と合っていないように思います。キャラの表情が出るといいかと。〈大場〉掛け合いに入っていけないムードがあり読者を選ぶ部分が気になります。絵は上手いので読者にわからせるポイントを増やして。〈小畑〉
編集部のコメント 既存の作品の影響は見られるが若くして艶のある絵がかけて素晴らしい。だが話は構成力が足りず行き当たりばったりに見えるのが残念。
あらすじ バイトを探していた青年・最上は偶然たまもという万屋へ訪れる。成り行きでそこで働くことになって…!?
審査員のアドバイス キャラ設定の肉付けが弱いです。また、最後が夢オチのように見えてしまい、その割に驚きがないのが残念。〈大場〉このジャンルはよくあるので、新しい試みがなければ注目されにくいと心得てかかってください。〈小畑〉
編集部のコメント 物語の構成力はあり、高感度の高い作品だが、デザインでも台詞でも、どこかに尖った部分がほしい。画力も課題。どんどん描いてほしい。