RISE新人漫画賞 22年2月期 結果発表

新人漫画賞 SPARK 結果発表

RISE新人漫画賞 結果発表

クラウン新人漫画賞

才能の原石光る!! 審査員特別賞1本&編集部特別賞1本出る!!

ショート部門の最終候補が2本登場した2月期のRISE新人漫画賞!リニューアル後もショート部門は引き続き募集中!すぐ応募だ!

審査員
審査員 総評 全体的に読み応えがある大変楽しい選考でした。5作品全てに見所があり甲乙付け難く、実際のところ評価は互角です。その中で「テーマ」=自分が描きたいモノに正面から向き合い、考えを深めて、読者に読んでもらおうと懸命になっていると感じた2作品に個人的に+αの加点をしました。漫画を描くにあたって、話にしろ絵にしろ「これを伝えたいんだ」「ここを描きたいんだ」という“魅せどころ”を創って下さい。ねりにねった展開、スパンと閃いた台詞、キメの必殺技、満面の笑顔、最高の一コマ。下手でも未熟でも作者が渾身を込めたポイントは技量技術を飛び越えて必ず読者の目と心を掴みます。プロへの突破口はそこに必ず開けます。

月間TOP審査員特別賞 賞金20万円

時計仕掛けの正義 47P
尾堂太朗 20/埼玉

あらすじ流出すれば国が傾くほどの機密文書『107文書』の奪還を命じられた通称『時計仕掛けの女』と厚生局所属のシンヤ。それぞれの正義のためにタッグを組んだ二人は、逃げた強奪犯を追いかけ特急列車に乗り込む。

審査員のアドバイス二転三転するストーリーと重いテーマをこのページ数にまとめた構成力は確かなモノ。反面、娯楽性に欠ける。特にキャラクター。無感情系のヒロインに対して男性キャラをもっと感情豊かにするなどして対比や誇張するなど工夫が欲しいところ。画力はまだまだ固いが、年齢を考慮すればいい線いっている。伸び代に期待。サイボーグが認知されてる世界なのだから、衣装や背景にそれらしさが欲しい。

編集部のコメント難しいテーマながら、構成が良く考えられ、キャラクターの心情に沿ったドラマが丁寧に描かれた大作。絵柄やデザインに古さがあるので、今の読者が求めているものをよく考えてアップデートをしていってほしい。

編集部特別賞 賞金15万円

あくまで君に 41P
山崎ゆうき 28/大阪

あらすじ幼馴染に勇気を出して告白しようとしたアラタ。しかし、彼女は悪魔に取り憑かれていてそれどころではない状況に…。そのまま二人は天使と悪魔の戦いに巻き込まれ?

審査員のアドバイスストーリーはひと通りできているが、正直物足りない。バトルに不欠つな善悪、もしくは信念の対立がすっぽり抜けている。根幹が恋愛であってもバトルの皮を被せる以上、ここは外してはいけないポイント。手癖で描いている感があるが絵はかなり上手。老若男女の描き分けがやや弱いので要改善。総合的には上手いので、今後はもっと「自分のセールスポイント」「自分の描きたいモノ」をしっかりと追求すると良いかと。

編集部のコメント絵柄が可愛らしく、見やすく分かりやすい画面作りができていた。天使と悪魔の設定が何も明かされないので、戦い自体に意味を持たせることができていないのが惜しい。

最終候補 賞金10万円

【ショート部門】愛しのシスター 16P
けい 19/京都

あらすじ「極道が入ったら帰ってこれない」と噂の教会の調査に出向いたアキヒト。優しいシスターに迎えられ中に入ると、そこにはいくつもの死体があった…。

審査員のアドバイスコメディにしたいのかドラマにしたいのか、ちょっと中途半端。起承転結でまとまっているが、ここまでを起承として転結へと展開した方がもっと面白く出来たかと。次は倍以上のページ数の作品に期待。漫画的魅せ方はとても上手。特にキャラの表情が上々。対してデッサンや背景処理などの基本的な画力が全く追い付いていない。基礎勉強に力を入れてしっかりと底上げすれば極上の絵柄に化けるかも。

編集部のコメント短いページ数に驚きとフェチを詰め込んだインパクトの強い作品。このままでは多くの読者には伝わらない部分も多いので、まずはキャラクターの考えていることが分かるように丁寧に描写を重ねてほしい。

最終候補 賞金10万円

【ショート部門】カエル化現象 13P
腹田ダラハ 18/神奈川

あらすじ「カエルに見える」という理由で恋人を振った女子高生の西本。なぜカエルに見えたのかも分からないまま、周囲の人間が次々とカエルになっていく…。

審査員のアドバイスコメディかと読み進めると途中から段々雲行きが怪しくなり、不条理に結末する。狙って描いたのならなかなかの策士。なのだが、不条理系には「理解が及ばなくても何となく納得させる説得力」=高い画力が不可欠。今作はそれが多分に足りなかった。センスは凄く良いし、まだ若いので画力を鍛えながら、不条理系、ホラー、オカルトなど様々な面白さに挑戦してみて下さい。

編集部のコメント周囲の人間がカエルに変わっていく気持ちの悪さや怖さをよく表現できていた。「カエルに見える」という一点突破にしても、解釈の余地やテーマの掘り下げがあればより満足感のある作品になったはず。

最終候補 賞金10万円

ナベとニナ 23P
みくろかるぱ 24/神奈川

あらすじいつかヒーローが下界から自分を救い外に連れ出してくれると信じる少年・ナベは、ゴミ拾いの仕事中に、遠くの城に帰りたいと言う少年・ニナと出会う。

審査員のアドバイスストーリと世界観と必要な情報だけを的確に選りすぐりまとめていて上手い。ほぼ会話劇でまとまっていて起伏に乏しいのが惜しい。次はページを増やしてもっと活劇的な魅力を出すところに挑戦して欲しい。雰囲気のあるいい絵だが、何を描いているのか、何が描かれているのか正直分かりづらい。要努力、要改善。「門の向こうは戦争世界」、これを絵でしっかりと魅せられていたら、この作品の魅力は格段に上がっていた。

編集部のコメント優しい雰囲気がつくれており、最小限の情報で世界設定や状況を伝えるセンスもある。ただ、その状況がドラマに繋がる前に物語が終わってしまった印象。

最終候補まであと一歩の作品

  • 超常想像記 51P 細見壮一郎 19
    アイデアが面白い。複雑な設定を表現しきれなかった印象。
  • 忍者とちょこれゐと 45P 夏猫日槌 27
    軽快で読み易いが肝心の忍者が活きていなかったのが惜しい。
  • 半血のヴァンビ 31P 牧野将道 23
    いい絵のシーンがいくつかあったが、設定にやや無理がある。
  • イチジクの台本 52P アキヒコ 33
    掛け合いが面白いものの、作中の解決策に説得力が足りない。