新人漫画賞SPARK 25年4月期 結果発表
新人漫画賞 SPARK 結果発表
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RISE新人漫画賞 結果発表

【浅倉】クオリティの高い作品が並んでおり、自分も今一度気を引き締めなければならないなとぴりりと背筋が伸びました。ありがとうございます。総じて、先行作品がいくつか連想されるような「見知った手触りの作品」は、手堅くまとまっているものの新鮮味に欠ける一方、新しい角度で描かれた漫画はやや大衆性の部分に疑問符がつくという印象でした。「漫画とは1にキャラクター、2にもキャラクター、3も4も5も~」というようなキャラクター至上主義には必ずしも首肯しかねるのですが、やはり漫画を牽引する最初の原動力はキャラクターなのだなということも再認識した次第です。おそらく「キャラクター」を形成しているのって、わかりやすい口調とか見た目、バックボーンなど、履歴書に書けるようなことだけではないんですよね。ストーリーや世界観の設定が、実は読者には「キャラクター性」として認識されることがある。そんなことを改めて実感しました。どの方にも凄まじい将来性を感じました。私も負けないよう頑張ります。
【小畑】全作品がそつなくまとまっているので最後までストレスなく読めます。読み始めから興味をそそられるものが多いですが、最後があいまいだったり、期待外れが否めません。読んでガツンと作者の強みを感じるものが欲しいです。
今回は佳作3本に編集部特別賞2本と、非常に好調な回だった。どの作品にも秀でている部分があった一方、それを磨き切れていない印象だった。足りないところを補うのはもちろん、自分の武器となるものを尖らせることも一つの手。自分の武器が何なのか、それをしっかり認識して伸ばし、次の作品に挑戦してみてほしい。

【浅倉】文化祭の出し物決めという限定されたシチュエーションの中、各キャラクターが生き生きと躍動する無駄のない作劇に確かな実力を感じました。登場人物のネーミング含めて、ページの隅の隅まで自身の世界で読者を楽しませようという気概に満ちており、27Pとは思えない満足感がありました。楽しかったです。このシチュエーションとテーマでできることは十全にやり尽くすことができている印象で、あとはどれだけ広い層に届くテーマを選べるのか(そしてそのテーマの中で、ご自身がどれだけ楽しく漫画を描けるのか)という闘いになってくるのかなと思います。漫画としての「箱」をうまく見定めることができれば、もはや敵なしだと思います。次の作品も早く読んでみたいです。
【小畑】キャラが多彩。セリフも面白みがあり細かいボケも好感があり、コマの隅まで楽しい。興味をそそる題材ですが、オチが弱い印象です。このキャラのまま他のネタも見てみたいです。

【浅倉】冒頭3ページで読者を引き込み、主人公の目的を一息に理解させる漫画力に唸らされました。タバコをキーアイテムとした結びもキマっており、早く続きが読みたくなります。個人的にはこの世界における常識(悪魔がどれほど社会を脅かしているか、組織の規模や主人公たちのポジション等)を詳細に設定した上で、それらを読者が自然にわかるよう演出できれば、より物語に立体感が出るかなと思います。他作品との差別化も図れるでしょうし、姉を殺した黒幕の動機にもより納得感が出るはず。悪魔の王と刀の登場は抜群にカッコよかったので、双方の活躍と個性を開帳するシーンが少なかったのが残念でした。所々カメラワークが惜しかったのも玉に瑕。全体としては大変面白かったです。
【小畑】主要キャラの狭い範囲だけで話が進み俯瞰要素が無い点が気になります。描きたいことは伝わっているので、これで良しとするにしても一箇所でも世界観の広がりが見たい気もします。話や設定はありがちなので、主役たちの関係性に魅力が欲しいです。

【浅倉】こんなに楽しい発想で漫画を描ける16歳がいるという事実に打ちのめされそうになりました。面白かったです。星をライターで炙るシーンは一生忘れないと思います。このまま理屈も定型も気にせず伸び伸び成長してほしいと思う一方で、少年漫画としての大衆性を手に入れようと思うのであれば、もう少しだけ「単純さ」と「わかりやすさ」を用意してあげるサービス精神が必要かなと思いました。とりわけ伝令の人を倒すことができた理由にはもう少し納得感が欲しいですし、その後の惑星直列エンドは凄まじいセンスを感じるのですが、センスのない人間が読んだとしても「スッキリ終わったな!」と思える単純さが必要なのではないかなと思います。今後が心の底から楽しみです。
【小畑】独創性、バカバカしいくらいのスケール感、読み始めから期待させてくれますが、最終的に何が伝えたかったのかよくわかりませんでした。このタイプはラストでハッとしたり、なるほどと思ったり、読者に最後に分かってもらうどんでん返しや、テーマを集約させるラストの作り方が大切だと思います。

【浅倉】スケール感たっぷりの物語で、様々な種類の異星人が描き分けられており、何度読み返しても新たな発見がありとても楽しかったです。主人公と上司の関係の変化が、物語に一本の筋を通しているのも好印象。続きが読みたいです。願わくば、序盤でもう少し主人公の好感度が上がるような描写があれば、より物語への没入度が上がったように思います。最後まで読めば壮絶な過去が明らかになりますが、序盤は「規律を守れず、出世欲が先行している粗野な人物」という印象しかなく、少々応援しづらいです。動物には優しい、約束は破らない、迷惑をかけたら必ず詫びる。ちょっぴり「善」の側面を足してあげるだけで、ぐっと読みやすくなります。タコおじは最高です。すでに大好きです。
【小畑】まとまりがありますが、突出するものが感じられず、全体の印象が薄いです。まずは主人公の魅力を出してほしいです。

【浅倉】ティタとフィリスの二人が大変に魅力的で、このキャラクターを見て欲しいという作者の熱量がこちらまでビシビシ伝わってきました。二人のキャラクターグッズが出たら爆売れすると思います。剣を抜いたら勇者になれる、魔王を討伐する、主人公は鍛冶屋等、説明不要の王道設定ゆえに読みやすくはあったのですが、若干新鮮味に欠けるというのも事実かなと思います。ティタの性格をお披露目するシーンだったのはわかるものの、可能なら王様を説得するシーンは幾らか簡略化し、捻出できたページを使ってぜひ「剣を抜くシーン」を描いて欲しかったです。地力は十分。「どの漫画でも見たことのない何か」を操れるようになったら、凄まじい人気作をお作りになられると思います。
【小畑】話の流れの唐突感はファンタジーもののお約束でやり過ごせられている所がありますが、キャラのかわいさで引っ張っている感じです。コミカルとシリアスの両刀使いも突出していると思います。


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